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12月05日-02号

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  1. 奈良市議会 2022-12-05
    12月05日-02号


    取得元: 奈良市議会公式サイト
    最終取得日: 2023-05-08
    令和 4年 12月 定例会令和4年奈良市議会12月定例会会議録(第2号)-----------------------------------   令和4年12月5日(月曜日)午前10時0分開議----------------------------------- 議事日程  日程第1 議案第96号 令和4年度奈良市一般会計補正予算(第7号)       議案第97号 令和4年度奈良市国民健康保険特別会計補正予算(第2号)       議案第98号 令和4年度奈良市土地区画整理事業特別会計補正予算(第1号)       議案第99号 奈良市個人情報の保護に関する法律施行条例の制定について       議案第100号 奈良市手数料条例の一部改正について       議案第101号 奈良市子ども医療費の助成に関する条例等の一部改正について       議案第102号 奈良市男女共同参画センター条例の一部改正について       議案第103号 奈良市消防団条例の一部改正について       議案第104号 奈良市立高等学校等における授業料等に関する条例の一部改正について       議案第105号 奈良市公民館条例の一部改正について       議案第106号 工事請負契約の締結について       議案第107号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第108号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第109号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第110号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第111号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第112号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第113号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第114号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第115号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第116号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第117号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第118号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第119号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第120号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第121号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第122号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第123号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第124号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第125号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第126号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第127号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第128号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第129号 公の施設の指定管理者の指定について       議案第130号 公の施設の指定管理者の指定について       議会議案第4号 奈良市議会の個人情報の保護に関する条例の制定について----------------------------------- 本日の会議に付した事件  第1、日程に同じ----------------------------------- 出席議員(38名)  1番 塚本 勝君      2番 榎本博一君  3番 岡田浩徳君      4番 山岡稔季君  6番 山出哲史君      7番 岡本誠至君  8番 桝井隆志君      9番 白川健太郎君  10番 道端孝治君      11番 太田晃司君  12番 佐野和則君      13番 柳田昌孝君  14番 宮池 明君      15番 早田哲朗君  16番 樋口清二郎君     17番 鍵田美智子君  18番 下村千恵君      19番 阪本美知子君  20番 山口裕司君      21番 山本直子君  22番 八尾俊宏君      23番 山本憲宥君  24番 横井雄一君      25番 大西淳文君  26番 藤田幸代君      27番 田畑日佐恵君  28番 九里雄二君      29番 松石聖一君  30番 内藤智司君      31番 酒井孝江君  32番 井上昌弘君      33番 北村拓哉君  34番 森田一成君      35番 土田敏朗君  36番 北 良晃君      37番 中西吉日出君  38番 伊藤 剛君      39番 森岡弘之君 欠席議員  なし 欠番  5番----------------------------------- 説明のため出席した者  市長       仲川元庸君   副市長      向井政彦君  副市長      鈴木千恵美君  危機管理監    國友 昭君  総合政策部長   真銅正宣君   総務部長     吉村啓信君  市民部長     谷田健次君   福祉部長     嵯峨伊佐子君  子ども未来部長  小澤美砂君   健康医療部長   増田達男君  環境部長     矢倉靖弘君   観光経済部長   仲西範嘉君  都市整備部長   梅田勝弘君   建設部長     木村康貴君  企業局長     池田 修君   消防局長     東川洋志君  教育長      北谷雅人君   教育部長     竹平理恵君  監査委員     東口喜代一君  総合政策課長   玉置 卓君  財政課長     松本賀史君----------------------------------- 事務局職員出席者  事務局長     中井史栄    事務局次長    児林尚史  議会総務課長   井ノ上寿苗   議事調査課長   秋田良久  議事調査課長補佐 杉野真弥    議事係長     中山辰郎  議事調査課書記  美並彰悟-----------------------------------   午前10時0分 開議 ○議長(北良晃君) 休会前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- △日程第1 議案第96号 令和4年度奈良市一般会計補正予算(第7号) 外35件(質疑並びに一般質問) ○議長(北良晃君) 直ちに日程に入ります。 日程第1、議案第96号 令和4年度奈良市一般会計補正予算より議案第130号までの35議案及び議会議案第4号 奈良市議会の個人情報の保護に関する条例の制定について、以上36議案を一括して議題といたします。 本案につきましては、既に去る11月30日の本会議において、市長並びに提出議員より説明を受けておりますので、これより質疑並びに一般質問を行います。 通告がございますので、発言を許します。 まず、代表質問を行います。 24番横井君。   (24番 横井雄一君 登壇) ◆24番(横井雄一君) 皆さん、おはようございます。自民党奈良市議会・結の会の横井雄一でございます。 今、新型コロナウイルス感染症は第8波が高まりつつありますが、この秋からは政府の支援もあって、全国各地の観光地、宿泊施設等、部分的に好調な業界もあるようです。また、政府による高騰するエネルギー費用の支援や中小企業への資金繰り支援等、地方にまで行き渡る効果的な政策はとてもありがたいのですが、内閣支持率は30%台と低迷しています。旧統一教会問題、相次ぐ閣僚の辞任など、不信感が募るニュースが大きく影響していると思われます。 そのようなニュースは、政府与党を構成する政党の地方議員といたしましても本当に耳の痛いところです。地方で政治の仕事をする者として、醜聞に惑わされず、市民の声に耳を傾け、自身を律して仕事をすることを心がけたいと存じます。 さて、隣国ではゼロコロナ政策が続いていますが、報道によれば国内で反対デモや反政府運動が起こり、その様子が拡散され、問題化しているようです。また、今、世界的な食料危機をもたらしているロシアによるウクライナ侵攻は、ここに来てロシア国内に様々な問題が起きているようです。プロパガンダによって抑え込んできた事実があふれ出して、国民は我慢ならない状況になっているのではないでしょうか。この事態を見て、リーダーの資質とは何が大切なのかを考えたとき、改めて公正さや誠実さに勝るものはないと確信いたします。 本日は、会派を代表して仲川市長に質問をしてまいりたいと存じます。よろしくお願いいたします。 まず、市長の政治姿勢について幾つか問いたいと存じます。 まず、市長の政治姿勢のうち、令和5年度予算編成について伺います。 9月に5年度予算編成方針を示され、この年末に向けて市長査定の段階に差しかかることと存じています。多様な事業予算を調製し、査定する作業を控えておられますが、予算編成の姿勢について、次の5点について見解を賜りたいと存じます。 1点目として、奈良市第5次総合計画及び第2期奈良市総合戦略に掲げる重要分野をどう反映させるのかお聞かせください。 2点目として、本年度から始まった新たな行財政改革計画の内容をどのように、どれだけ反映させるのかお聞かせください。 3点目として、新型コロナウイルス感染症対策をどう反映させるのかお聞かせください。 4点目として、円安、ウクライナ侵攻等、物価高の影響を鑑み、歳入歳出にいかに留意するのかお聞かせください。 5点目として、マイナス思考に陥る状況もある中で、新規事業、新規的投資の重要性について、お考えをお聞かせください。 次に、人口減少対応についてお聞きします。 これまで移住・定住促進の取組に力を入れられていることにより、近年は社会人口増の傾向を見ることができ、取組の成果を感じています。年少人口を増やし、その比率を向上させることは、将来の奈良市を支える世代が安定するということにつながり、重要な視点であると考えています。 中核市の中では、大津市、明石市といった年少人口比率が比較的高い都市の取組を参考に、奈良市はどのような視点で、どこにどれだけ投資をしていくのか。社会人口増・自然増両面からの市の方向性を示していただきたいと存じます。 次に、新斎苑、旅立ちの杜及び奈良市子どもセンターについて伺います。 近年の奈良市政上、最も大きなプロジェクトである新斎苑及び奈良市子どもセンターが今年度開業いたしました。開業から上半期を経て、約8か月運営したところでありますが、初期の検証が大切であると考えています。 新斎苑については、奈良市民の積年の思いが完結する形での開業となり、これから長い年月をかけてありがたみを感じることができる事業であると考えます。また、奈良市子どもセンターは、奈良市独自で児童相談所を設け運営するという、計画中は本当に運営できるのかといった逡巡もあったと察するとともに、手を出しにくい課題に新規参入する形での挑戦だと考えています。 そこで、次の2点について見解を賜りたいと存じます。 1点目として、新斎苑について、その成果と新たな課題認識について見解を賜りたいと存じます。 2点目として、奈良市子どもセンターの運営状況を振り返り、その成果と新たな課題認識について見解を賜りたいと存じます。 次に、まちづくりについて、2つのテーマについてお聞きします。 1つ目は、京奈和自動車道大和北道路JR関西本線の新駅による新たな交通結節点となるエリアを拠点に、新たなまちづくりとして新産業創造拠点整備を進めている内容についてであります。 11月2日にはそれらの予算確保のため、自民党衆議院議員、環境副大臣、内閣府副大臣の小林茂樹氏の先導で、仲川市長はじめ関係理事者が国土交通省及び財務省へ出向いていただき、私たち会派議員一同も同行させていただいたところです。 この一大プロジェクトを、道路整備の促進とともに周辺のまちづくりの観点からどのような整備方針で進めようとしているのか、見解をお聞かせいただきたいと存じます。 2つ目は、道の駅針テラスの再整備についてであります。 道の駅針テラス北館の所有権をめぐる裁判は、この10月17日、和解成立により決着し、晴れて北館の所有権を確保したことにより、再整備のスタートラインに立ったと考えます。 針テラスは名阪国道針インターチェンジに隣接し、関西、中部の移動拠点の一つとして機能しており、大阪市内まで約1時間、名古屋市内まで約2時間と好立地にあります。また、国道369号線と交差することから、奈良市東部地域、奈良県東南部地域へ移動する玄関口と言えます。 そこで、このような立地条件や当時の都祁村で発端となった大和高原新都市構想の思いも踏まえて、これからの再整備の方針、手法など、市の考え方を伺いたいと存じます。 次に、公営企業の将来計画について伺います。 県域水道一体化における企業団設立、参加については、10月4日、企業団には参加しない旨を発表いただきました。奈良市議会のおおむねの思いを決断いただいたと評価しています。その決断に対し、奈良県知事からは奈良市の決断を尊重する旨のコメントがあったと聞いており、奈良市独自で事業を遂行していくことが決まりました。 ただし、9月議会のいろんな場での答弁でも市長は、広域化自体は肯定している、企業団に参加しない場合においても、将来世代のため他市町村との連携について検討すると述べられていることから、この水道の件には続きがあると考えています。 そこで、次の2点について見解を賜りたいと存じます。 1点目として、県域水道一体化不参加での広域化への対応、他の市町村との連携について、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。 2点目として、奈良市の上水道事業、下水道事業のそれぞれの財政見通しと今後の展開について、市長の見解を賜りたいと存じます。 次に、観光行政について、2つのテーマについて伺います。 1つ目は、奈良市の観光戦略、主にインバウンドについてでございます。 この秋は新型コロナウイルスの感染が比較的少なくなっていたことや、10月11日から実施されている全国旅行支援事業の効果も相まって、たくさんの観光のお客さんが奈良市にお越しくださったと存じています。 ウィズコロナの生活様式はようやく国民の日常生活に根づきつつありますが、観光経済面での低迷はまだ続くと考えられ、近い将来の本当の終息を待望するところです。 将来コロナが終息しても、何でもかんでもコロナ前の状態に戻るとは考えられませんし、オーバーツーリズムの弊害も考えれば、何でもかんでもコロナ前に戻ればよいとも思いません。低迷している今こそ、将来の観光戦略を着々と練るべきだと考えています。 そこで、奈良市の特にインバウンド戦略の考え方について、次の2点について見解をお聞かせいただきたいと存じます。 1点目として、市場のマーケティングマネジメントについて、奈良市におけるこれまでのインバウンド誘客インバウンドとは具体的にどの地域のどの国の人を指し、誘客してきたのかお聞かせください。 2点目として、観光地ごとのエリアマネジメントについて、今後のインバウンド誘致は、奈良市内の自然、地域性、人材、施設性等によってきめ細かくインバウンドの誘客計画を練り、実行することにより、コロナ前にはなかった新しい観光戦略を打つべきと考えますが、見解をお聞かせください。 2つ目に、世界遺産登録25周年の取組について伺いたいと存じます。 来年、2023年は、奈良市の社寺等が世界遺産に登録されてから25周年の節目に当たります。春日山原始林、春日大社、東大寺、興福寺、元興寺、薬師寺、唐招提寺、平城宮跡の8つの遺産群は、世界に誇る観光スポットとして名高いことは言うまでもありません。これらの社寺を全て1日で回るのは困難であることから、望まれるのは奈良での滞在時間、滞在日数を増やすことができ、一体的で持続可能な施策であると考えています。 そこで、世界遺産登録25周年に当たり、新たな取組について見解を賜りたいと存じます。 以上で1問目を終わります。 ○議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) 皆様、おはようございます。 ただいまの横井議員からの御質問にお答えを申し上げます。 まず初めに、来年度、令和5年度の予算編成についての御質問であります。 まずは、奈良市総合計画及び第2期総合戦略に掲げる重要分野をどのように来年度予算に反映する考えかということであります。 第5次総合計画におきましては、特に子育て支援や経済活性化、健康長寿、防災・減災という重点分野を掲げ、市民の皆様と行政が共に目指すまちの姿、まちの方向性の実現に向けた取組を進めております。 特に子育て支援につきましては、子供を未来そのものであると捉え、安心して子育てができる環境を整え、出産前から子育て期の長期にわたり切れ目のない支援に力を注いでいくことが必要であります。また、まちに活気を生み出す取組、例えば若者の創業支援や新しい働き方に対応したまちづくりを進めていくことも重要であります。 一方で、第2期総合戦略につきましては、第5次総合計画の施策体制と一体化して取り組みながら、さらに「新たな時代の流れや変化を力にする」、「多様な主体とのつながりを力にする」、「自らまちの活力を創り出す」という重点項目を設定し、そこに主要なプロジェクトをひもづけ、国の財政支援制度なども活用しながら地方創生の推進に努めているところであります。 新年度予算に向けましては、引き続き持続的な発展を目指すため、新たな魅力と価値を創出し、人口減少の中でも持続的に発展していけるよう、公民の様々なリソースを活用して未来に向けた投資を行っていく必要があると認識をいたしております。 次に、新たな行財政改革計画をどのように反映するかということであります。 新たな行財政改革につきましては、市が真に提供すべき市民サービスを確実に提供できる行政体制の確立のため、取組の詳細につきまして現在最終的な調整を行っているところでありますが、新年度予算につきましては、計画の方向性を念頭に、個々の柱について特に重点的に取組を推進するための予算といたします。 内容といたしましては、将来に負担を先送りしないための改革として、職員数の適正化はもちろんのこと、特に公共施設の最適化について、現在の利用状況や管理コストなどを分析し、施設の適切な在り方を検討するとともに、市民や地域のニーズに的確に対応しながら市民サービスを提供できるよう、幼保施設の民間移管をはじめ、公営住宅や連絡所等、施設管理の手法見直しなどに取り組んでまいります。 また、DXの推進と業務改善につきましては、オンライン手続や場所の制約を受けない働き方、インターネットを介したコミュニケーションが拡大するなど急激な社会活動の変化に対応するため、これまでの業務や人員、組織体制を見直し、現在のニーズに応じたデジタル化の流れをさらに加速していきたいと考えております。 そのほか、これまで進めてまいりました歳入確保の取組や官民連携、協働の推進により限られた経営資源を有効に活用し、効果が最大化できるよう、行財政改革に努めてまいります。 次に、新型コロナウイルス対策をどのように反映するのかという御質問であります。 本定例会におきましては、新型コロナ対策に係る保健所業務の債務負担行為を補正いたしており、令和5年度におきましても、引き続き市民の皆様の生命を守るためのコロナ対策が継続できる準備をしていく必要があると認識いたしております。 また、国の補正予算や当初予算にも留意をしながら、新年度のタイミングで感染拡大の波が来ていたとしても業務の停滞が生じないよう、しっかりと対応していきたいと考えております。 次に、円安、またウクライナ侵攻等の物価高などの影響について、どのように反映をするかということであります。 今年度につきましては、6月定例会以降、今議会に提案しているものも含めますと、光熱費、燃料費に関する補正予算を約5億3700万円計上いたしており、その他の物品や委託料など様々な経費についても値上がりしている状況にございます。 今般の物価高騰の状況は、来年度当初予算の編成にも大きな影響を与えるものと考えております。地方交付税をはじめとした国の動向を今後も引き続きしっかりと注視するとともに、受け身ではなく、緊急性の低い経費については実施手法の見直しや執行時期の見直しを行うなど、歳出抑制にも取り組んでいく必要があると認識をいたしております。 次に、新規事業、投資的事業の重要性についてということであります。 先ほど申し上げましたとおり、今般の物価高騰は予算編成にも影響を与えるものと認識をいたしておりますが、一方で、少子化の進行については、例えば今年の出生数が全国でおよそ77万人と見込まれているなど、国が統計を開始して以来、初めて年間で80万人を下回る見込みとなっております。特に6年前の平成28年に年間の出生数が100万人を割り込んでから、僅か6年間で2割程度、全国の出生数が急減しているという状況にあります。これは社会構造を揺るがしかねない大きな問題であり、やはり最優先で取り組まなければならない課題の一つであると認識をいたしております。 また、財政運営といたしましては、引き続き厳しい環境に置かれるわけでありますが、このような少子化対策をはじめDXの推進、脱炭素化の取組など、将来の本市の姿や社会構造の変化を見据えた新規施策については、来年度予算編成についても積極的に検討を進めていく必要があると認識いたしております。 また、本市が多くの方々にとって住みやすく、選ばれるまちとなるよう、魅力あるまちづくりのための必要な投資については、めり張りをもって対応していく必要があると認識いたしております。 続きまして、人口減少問題についての対応であります。 議員御指摘のとおり、年少人口を増やすことは社会の活力増進ということのみならず、将来を支える世代の人口が安定するという観点でも重要でございますことから、実情に応じて他市の施策を取り入れていくということが重要だと考えております。 本市の人口流動の特徴といたしましては、20代については流出をしている一方で、子育て期に入りますと流入が大きくなっておりますことから、人口減少対策の視点としては、特にこの20代の流出問題にどう対応していくかということが重要であり、一方で、引き続き子育て世代には、子育て支援策の強化を通して同世代の転入をさらに伸ばしていくという、この2つの観点が重要だと認識をいたしております。 1点目の20代の流出抑制ということにつきましては、やはり多様な選択肢となる職場の創出につながる企業誘致が有効であると認識をいたしております。市内におきまして魅力的な職場があるということは、学校などを卒業された後に東京や大阪などの都会に転出するということを一定防ぐ効果があると考え、また、若者の転入を誘発するということも狙っていけると考えておりまして、これらについては引き続き来年度も重点的に進めていく必要があると考えております。 また、子育て期のさらなる転入増ということにつきましては、現在、やはり子育て家庭の負担となっております子ども医療費につきましては、来年の4月から自動償還払いで18歳年度末まで対象年齢を拡大するということ、また、来年の6月からは現物給付化を中学校卒業まで進めていくなど、これまで課題であった問題についても積極的に解決に向けて取組を準備いたしているところでございます。 今後も必要に応じて他市での先進的な取組も学ばせていただきまして、本市の特性を踏まえた重点的な投資を行うことで人口減少に歯止めをかけ、さらにはその影響の緩和に努めてまいりたいというふうに考えております。 続きまして、新斎苑についての御質問であります。 新斎苑、旅立ちの杜につきましては、まず成果といたしまして、大幅に火葬件数が増えたということが一番顕著な成果でございます。前年の令和3年度と比較をいたしますと、火葬件数のほとんどを占めます大人の火葬につきましては、昨年度が年間で2,373件であったものが、今年は4月から11月までの実績で既に3,207件となっておりまして、これを年間ベースにいたしますと、おおむね4,758件と見込んでおります。これは前年度の約2倍の火葬件数と見込んでおります。 このうち市内の方につきましては、昨年度の2,293件から今年度の見込みでは4,047件と1.8倍に増加、また、市外の方の御利用につきましては、昨年が80件でありましたが、これがおおむね711件ほどになるんではないかと見込んでおりまして、倍率で申しますと約8.9倍ほどの見込みをいたしております。これに伴いまして、火葬場の使用料収入につきましても、昨年度の2693万円から今年度は1億1157万円と、約8464万円の増額を見込んでおります。 これに対しまして、市民の皆様がこれまで市外の施設を御利用になっていたという件数は大幅に減少し、昨年度は1,746名の方が市外の施設をやむなく利用されておりましたが、今年は191件となっておりまして、10分の1ほどに減少する見込みであります。これによりまして、市外施設と旅立ちの杜の使用料の差額であります、いわゆる市民の皆様が超過して負担をいただいている試算については、今年は1538万円ほどということで、去年に比べますと1億2512万円の減額となると見込んでおります。 これら超過負担額の減少分と、そして先ほど申し上げました旅立ちの杜の火葬場使用料の増収分を合わせますと、年間で約2億976万円が広い意味での市民の皆様の経済的な利益に新たになると認識をいたしております。 一方で、新たな課題認識といたしましては、多目的室の利用、またペット火葬が想定よりも少ないということがございます。 多目的室につきましては、少人数でのお別れから最後のお見送り、初七日までを行うことができるものでございますけれども、今、年間の利用見込みが62件という現状でありまして、週1件程度にとどまっているというところがございます。御逝去なさった後、お通夜、告別式をされずに火葬場に来られる直葬という葬送の形態がまだ一般的にはなっていないということなど、要因について引き続き分析し、対応を検討していきたいというふうに考えております。 また、ペット火葬につきましては、年間の利用見込みが188件ということで、2日に1件程度の利用となっております。これにつきましては、ペット火葬を行っておられます民間の事業者との競合を避けるという意味で、骨上げについては個別に行わない、いわゆる合葬方式を取っているということが一つの要因であると考えております。 いずれにいたしましても、まだ1年たっていない状況でございますので、今後も引き続き利用状況を注視するとともに、必要に応じて対応を検討していきたいという考えでございます。 続きまして、奈良市子どもセンターについての運営状況を振り返っての成果と、そして課題についてということで御質問をいただきました。 今年の4月に奈良市子どもセンターが開設し、既に8か月余りが経過をしたところでございますが、やはり経験豊富で専門性の高い職員の確保を行うとともに、経験値の浅い職員を育てていくという観点から、人材育成を図っていくことが一番大きな課題だと認識をいたしております。 一方で、児童相談所の機能と、市町村機能であります子ども家庭総合支援拠点の両方の機能を子どもセンターに集約したということによりまして、昨年奈良県が行った奈良市の子供の一時保護の年間件数が71件でありましたが、既に奈良市では11月末までに70件となっておりまして、年間では昨年を大きく上回る見込みでございます。 このことにつきましては、早い段階で情報を収集し、多角的にアセスメントをすることが実現しているということで、やはり事件が重大化、また重症化する前に子供の安全を図ることにつながった成果であると認識をいたしております。 また、療育手帳の判定業務につきましても、申請の受付、判定、交付までの処理を本市が担うことになりましたので、手続の簡素化も図れるようになったと認識をいたしております。 さらに、従前から取り組んでおります子供の発達支援で関わったケースの速やかな療育手帳の取得など、支援が必要な子供についての情報の共有、連携が容易になり、途切れのない支援につなげることができております。 今後も子供の最善の利益の実現と、奈良市の子供は奈良市で守るという思いの下で、しっかりと子どもセンターの安定的な運営を目指していきたいと考えております。 続きまして、新産業創造拠点整備についての御質問でございます。 八条・大安寺周辺地区におきましては、国が整備を進めております京奈和自動車道奈良インターチェンジと、JR西日本と奈良県によりますJR新駅の整備が現在進んでいるところでございます。 本市におきましては、新たなまちづくりとして、本市の課題であります若い人材の定着を図るための魅力的な働く場の創出、将来の奈良経済の持続的な発展に向け、均衡ある産業構造の構築のため、特に先端技術を活用し、産業と学術教育機関等による連携を図ることで、新産業創造拠点の整備を図っていきたいと考えております。 その基盤整備の方針につきましては、組合施行によります土地区画整理事業を目指しておりまして、これについては市が事務局となり、権利者全員が対象となるまちづくり協議会を11月5日に設立いたしたところでございます。あわせまして、都市計画道路西九条佐保線の開通、また、都市計画道路六条奈良阪線へ至る市道等の周辺の道路整備につきましても、早期着手に向け、現在、地権者との調整を開始いたしているところであります。 今後も権利者の方々の御意向の把握、また、まちづくり勉強会の開催、また、周辺地域の皆様の御理解、御協力をいただきながら、JRの新駅開業に合わせたまち開きを目指していきたいというふうに考えております。 続きまして、針テラスの今後の方向性についてということであります。 道の駅針テラスにつきましては、議員から御指摘がございましたように、当時の都祁村によります奈良県長期基本構想、これが大和高原新都市構想ということでありますが、これを受けまして、地域の活性化のために都祁ハイランドパーク整備事業を策定し、名阪国道針インター周辺に平成13年にオープンをしたものでありました。 その後20年以上が経過し、新名神高速道路の一部開通による交通量の大幅な減少も心配されたところでありますが、関西地域と中部地域を結ぶ高規格道路としての名阪国道の重要性については大きく変わっていないと認識をいたしております。 一方で、今年の3月31日には名阪上野ドライブインが廃止され、大阪から名古屋間の大型駐車場を有する休憩施設となる道の駅としての針テラスの必要性は、以前よりも高まっているという状況を認識しております。 また、国におきましては、令和3年から令和7年までを道の駅第3ステージと位置づけており、地方創生・観光を加速する拠点をコンセプトに取組を推進しているところでありまして、あわせて、令和7年度に開催されます大阪・関西万博も再整備に向けた大きなチャンスであると認識をいたしております。 そのため、交通の要衝であり、また奈良の東の玄関口というロケーションにあるこの針テラスを、この地域が持つ魅力をしっかりと生かし、発信をしていくという観点で、針テラス自体が目的地になるということ、そして、奈良市を含みます周辺自治体で構成する大和高原エリア全体のやはり東の玄関口になるという、この2つの柱を中心に据えながら再整備の構想を進めていきたいというふうに考えております。 具体的な整備の手法、導入機能の選定等につきましては、今年度実施をいたしております民間活力導入可能性調査により判断をしていきたいと考えておりまして、針テラスの運営に興味を持たれておる民間の事業者から提案を受けまして、その中からよりよい提案を採用し、整備を進めていきたいと考えております。 スケジュールといたしましては、令和5年度に公募型のプロポーザルを行って、その上で事業者の決定をしていきたいと考えております。 続きまして、県域水道一体化に本市が参加をしないということと、近隣の市町村とどのように連携をしていくかという御質問でございます。 人口減少が進む社会におきましては、将来にわたり水道事業を安全・安心かつ低廉に持続させるためには、本市にとりましても広域化という手法は有効なものであると認識をいたしております。 現在も北和4市でメーターの共同購入、また、災害対策として相互融通連絡管というものを設置いたしておりまして、必ずしも奈良市が完全に独立して、単独で事業運営を行っているという状況にはございません。今後も近隣水道事業体と材料の共同調達や事務の共同化、また、維持管理業務の一体化や施設の共同化など、本市水道事業の効率化につながる連携はやはり検討していく必要があると認識をしております。 奈良県広域水道企業団につきましては、参加団体や基本計画等がまだこれからの部分もございますので、その枠組みや内容が確定し、企業団が設立された後には、企業団との間においても様々な連携の可能性を模索していきたいという考えでございます。 続きまして、上下水道それぞれの財政見通しと今後の展開についてという御質問であります。 上水道事業の財政見通しにつきましては、近年の人口減少に伴い、水需要も緩やかではありますが年々減少しておりまして、これに伴い、水道料金の収入も減少いたしております。 更新投資につきましては、全ての更新需要に対して画一的に更新をするということではなくて、基幹施設、基幹管路とそれ以外というふうに大きく分けまして、投資を効率的に行っていくことが重要だと認識をしております。 特に市民生活に影響の大きい基幹管路の更新については優先的に進める必要があると考えており、水需要の減少に伴って施設の統廃合、ダウンサイジングを検討して、効果的、効率的な更新を行っていきたいと考えております。 一方で、基幹施設や基幹管路以外につきましては老朽管を集中的に、年間4.5キロメートルを目標に、現在、老朽管改良事業を進めております。また、状態監視や長期継続的な漏水防止調査、漏水事故対応が可能な業務委託や漏水修理材料の備蓄など、修繕に対して迅速に対応ができる維持管理を継続して行っていくことで長寿命化を図っていきたいと考えております。 財政見通しといたしましては、給水収益は減少する見込みでありますけれども、投資の選択と集中で効率的に費用を抑制することによって、引き続き安定した水事業が継続できるものと考えております。 続きまして、下水道事業についての財政見通しでありますが、下水道使用料収入も同じく減少しておる中におきまして、令和2年5月に使用料改定を行わせていただきまして、一時的に下水道使用料収入は増加をしておりますが、今後も人口減少に伴う緩やかな減少は見込まれているところであります。 更新投資につきましては、ストックマネジメント計画に基づき、緊急度や重要度を判定して更新投資を行っております。また、単独処理区におきましては施設の統廃合やダウンサイジングを検討し、より効率的、効果的な更新を行っていきたいと考えております。維持管理につきましても、ストックマネジメント計画に基づき調査、点検を行いながら、適切な保全を行ってまいります。 財政の見通しといたしましては、使用料収入が減少する見込みという中でありますけれども、このストックマネジメント計画による適切な維持管理と投資を行うことで、健全な下水道事業を維持できるものと考えております。 なお、流域下水道の市町村負担金の軽減については、これまで議会からも御意見をいただいておりますので、引き続き県としっかりと協議を継続していきたいと考えております。 今後の展開につきましては、選択と集中による投資と維持管理をしっかりと行い、水道料金、下水道使用料の上昇を人口減少程度にとどめて運営をしていきたいと考えております。 続きまして、観光戦略についての御質問であります。 まず、インバウンド誘客について、具体的な対象、またエリアマネジメントについてということであります。 このインバウンドのプロモーション活動につきましては、これまで奈良市観光協会が中心となりまして、訪日客の消費単価が高いと言われているオーストラリア、また、旅行時の滞在日数が長く、日本の歴史や文化に興味を持つ方の割合が高いヨーロッパを中心にターゲットを据えまして、プロモーション活動を展開してきたというところでございます。また、台湾の主要都市で開催される商談会にも積極的に参加し、旅行業者と一般消費者に情報提供を図ってきたところでございます。 また、オーストラリアやオランダにおきましては海外特派員を選任し、旅行前の発地における奈良市の観光情報の発信に努めるとともに、訪日旅行に関する現地情報の収集を行ってまいりました。 今後につきましては、アフターコロナにおける訪日旅行について、感染予防の観点から、団体から個人旅行へと形態の変化が加速すると予測されております。また、目的地につきましても、いわゆるマイクロツーリズムや、人混みを避け安全で極力衛生的な環境を希望するなど、感染リスクを避ける傾向になるとも予測されており、インバウンドの嗜好性や旅行に求めるニーズも多様化すると考えております。 今年の5月に世界経済フォーラムが発表いたしました2021年旅行・観光開発指数レポートにおきましては、日本の観光競争力が世界でトップとなりました。特にインフラや文化資源、保健衛生の分野が評価されたということが分かります。 政府の水際対策も緩和され、日本への旅行意欲が高まっている今、まずは奈良の情報がしっかりと的確に相手国に届くよう、インバウンドのニーズをしっかりと捉え、例えばデジタルプロモーションなどの手法も活用しながら、アフターコロナにおけるインバウンド誘客に積極的に取り組んでいきたいと考えております。 続きまして、世界遺産登録25周年に向けての取組ということであります。 平成10年に8つの資産群で構成されます古都奈良の文化財が世界遺産登録されまして、25周年を迎えるということになります。令和5年度につきましては、その登録25周年ということを受けまして、世界遺産の価値を再確認し、その価値を広く知っていただき、現地にお越しをいただくために、付加価値をつけた様々なツアーの造成や、また、奈良市にお住まいの市民の皆様にもより深く世界遺産に触れていただくよう、様々な企画を強化していきたいと考えております。 その中では、議員からも御提案がございました社寺の共通拝観券、これはこれまでも取組を目指しながらなかなか実現が難しかったものでございますが、やはり世界遺産25周年を機に、ぜひともこれは実現をしていきたいというふうに考えております。 また、様々なシンポジウムの開催など、奈良市観光協会とも検討を進め、快適に、そしてなるべく長期に滞在していただける事業展開を図るために、地域の観光事業者の皆様とも連携を図っていきたいというふうに考えております。 また、周年事業の広報につきましては、奈良への来訪者数が多い関東方面を含めたマスメディア対象のプレスツアーの実施やSNSなどの活用も含めて、最大効果を創出できる質の高い情報発信に努めていきたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 24番横井君。 ◆24番(横井雄一君) 2問目は意見、要望等を申し上げたいと存じます。 市長、丁寧に御答弁いただいて本当にありがとうございます。 項目に沿って申し上げますと、まず、令和5年度予算編成について、本当に姿勢を詳しくお答えいただきました。 キーワードとしては、人口減少に対応、少子化対策、社会構造の変化に対応、若者支援、DX推進、新たな魅力と価値を創出、持続的な発展、未来に向けた投資、このあたりが全体的な姿勢と受け止めました。 奈良市第5次総合計画及び第2期奈良市総合戦略に掲げる重要分野を総体的に反映すると姿勢を示していただきました。また、新たな行財政改革計画は、計画に沿って、特に公共施設の適正化を要点に現状分析し、適切な在り方を検討するなど、取組姿勢を示していただきました。 さらに、物価高騰などマイナス思考に陥る要素もある中で、新規事業には少子化対策をはじめ、選択と集中でもって予算編成に積極的に検討すること、そして、投資的事業にも、奈良市が多くの人にとって住みやすく、選ばれたまちとなるよう、めり張りを持って対応していくとの姿勢を示していただきました。 5年度予算編成も、厳しい社会構造の変化に対応しつつ、奈良市の将来を見据えて予算編成をする、かなりの難作業になるかと思いますが、よろしくお願いいたします。 人口減少対応については、奈良市の人口流動の特徴を的確に分析され、20代の流出減少と子育て世代の転入増加に視点を絞って、新たな雇用、新たな住民を創出できる企業誘致については既に進めているということ、また、子ども医療費助成の年齢拡大など、近い将来実施する施策をお答えいただきました。 今回は社会人口増の面からの対応について詳しくお聞かせいただきました。今後はぜひ自然増の姿勢についてもお考えいただきたいと存じます。私も施策を考えていきたいと存じます。要諦は、産みたいときに産むことができること、これに尽きると考えています。共に考えてまいりましょう。 続いて、新斎苑、旅立ちの杜及び奈良市子どもセンターの初年度の振り返りと顕在化した新たな課題認識をお答えいただきました。 新斎苑について、初年の成果と課題認識というところですが、大きな成果が出ていると存じます。数字が示すとおり、奈良市民からも市外の方からもありがたい施設になっていることが分かりました。 さらに、広い意味での市民の経済利益は、現時点の試算では年間約2億円であることが分かりました。これが毎年毎年続くと思いますので、10年、20年で数十億円の経済効果をもたらしていくものと存じています。 一方、課題認識もお答えいただきました。多目的室とペット火葬の利用率向上のことです。現時点では時代の先取りとも考えられますので、これについては様子を見て対応いただけたらと存じます。 奈良市子どもセンターについては、専門性の高い職員の確保、経験値を高める人材育成が課題ということでした。 この初年度にお気づきになった課題は本当に重要だと思います。また、始まったばかりの事業は、最初の頃こそ少ないんですけれども、年数を経るごとにどうしても未解決の問題が増えて蓄積するものだと考えています。ぜひ、ここは人員増強を念頭に、人材育成を強化していただきたいと思います。要望しておきます。 年度途中の経過ではありますが、子供の一時保護の件数を伺いますと、基礎自治体で機能を持つことの有意性が表れていると考えています。引き続き、奈良市の子供は奈良市で守ると、この思いで運営していただきたいと存じます。 まちづくりについて、まず、新産業創造拠点整備について、その方針をお聞かせいただきました。11月5日には用地の権利者によるまちづくり協議会を設立されて基盤整備に着手されましたし、既に複数の学校、教育機関と地域産業振興に関して協力、連携を約束するなど将来に向けた取組をされており、期待したいと存じます。 そして、針テラスの再整備について、その方法、手法等をお聞かせいただきました。 国の動きである道の駅を地方創生・観光を加速する拠点とする取組、また、令和7年度の大阪・関西万博の開催を好機と捉えていることが分かりました。道の駅としての機能を維持しつつ、周辺地域が持つ魅力を活用、発信し、針テラス自体が目的地、大和高原エリアの玄関口となるよう進めたいとのお答えをいただいたと存じます。 これまで針テラスは、東部地域にお住まいの方にとって食料品の買物や会合で利用される機会も多く、温泉施設も含めて長く地域のコミュニティー施設として活用されてきたと聞いております。その経緯も含めて、奈良市の、都祁の農産物をふんだんに取り入れた物販スペースを持つ、地域の生活拠点としての機能はぜひ持っていただきたいと存じます。 そして、令和5年度に公募型プロポーザルを実施予定だとお答えいただきました。事業者選びに関しましては、これまでの苦い経験を踏まえて、市の方針をよく理解し、責任を持って奈良市と並走していただけるパートナーを選んでいただくよう要望しておきます。 公営企業の将来計画についても詳しくお答えいただきました。既に北和4市で具体的な事業連携をしていることが分かりましたし、今後も他の水道事業体との間でも共同できる仕事は進めていただきたいと存じます。 上水事業に関しましては、今のところ県内では、自前でダムを保有し、取水から水道水の製造、地域への送水、10万世帯を超える各家庭への給水、料金収受まで一気通貫して行っているのは、県内で奈良市をおいてほかにありませんので、そのノウハウも含めて、近い将来設立されるであろう奈良県広域水道企業団とも可能な連携を模索いただきたいと存じます。 上水道事業、下水道事業ともに、将来の財政見通しは人口減少に伴い厳しいことになると予想いたしますが、おっしゃった選択と集中で投資して、安全で安心な水道事業を維持していただきたいと存じます。 最後に、観光戦略について、たくさんお答えいただきました。 特にインバウンド戦略について、奈良市がこれまで取り組んできた主要なマーケティングマネジメントがよく分かりましたし、エリアマネジメントの考えも的確であると存じます。 今後は地域性や人材、施設ごとのエリアマネジメントをさらに洗練いただいて、市場のマーケティングマネジメントにかぶせて、クロスして、マトリックス的に捉えていただき、色が濃くなる部分をさらに磨いていただいて、商品化につながるよう、ぜひその手助けをしていただきたいと存じます。 世界遺産登録25周年の取組についてお聞かせいただきました。 もう既に意識いただいておりまして、新たな企画を検討されていることが分かりました。ぜひ世界遺産群の価値をさらに高めて、奈良市内での滞在期間、滞在時間、日数を増やすことにつながればと期待いたします。奈良市観光協会と手を携えて、25周年を契機に、持続可能な企画を育てていただきたいと存じます。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(北良晃君) 15番早田君。   (15番 早田哲朗君 登壇) ◆15番(早田哲朗君) 皆さん、こんにちは。私は公明党奈良市議会議員団を代表いたしまして、既に通告しております数点について、一括質問一括答弁方式にて市長並びに教育長にお尋ねいたしますので、よろしくお願いいたします。 初めに、新型コロナウイルス感染症第8波の対策について、数点、市長にお伺いいたします。 本市は、11月21日に第48回新型コロナウイルス対策本部会議において、県や市内でも新規陽性者が急増していることから、本市も第8波に入ったとの認識を示し、また、冬の感染拡大注意報が発令されました。また、12月2日に厚生労働省は、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行に備えた対応について、この冬の最大診療能力は今までと比較して約13万人強化され、約90万人になる見込みであると報道でも発表されたところであります。 本格的な冬を迎える中、特に年末年始は親族や親しい人と会う機会が増える時期であります。その上で、本市が取り組むべき感染拡大防止対策、そして市民への適切な情報の周知も重要であると考えます。 そこで1点目に、本市における直近の新型コロナウイルス感染症の状況と、インフルエンザ感染の状況についてお伺いいたします。 2点目に、現在、新型コロナウイルス感染者が増加傾向であり、さらにインフルエンザとの同時流行による医療現場の逼迫などが懸念されますが、本市の認識についてお伺いいたします。 3点目に、本格的な冬に向けた対策については、コロナ禍におけるこれまでの経験から、市民への万全な対策及び情報の周知が必要であると考えますが、市長の見解をお伺いいたします。 4点目に、年末年始においては、新型コロナウイルスと季節性インフルエンザの同時流行がピークになると懸念されることから、ワクチン接種等の対策強化が重要であると考えますが、具体的な対策についてお伺いいたします。 5点目に、秘書広報課から頂きます報告資料を確認しますと、病院や福祉施設等の院内感染、いわゆるクラスターが増加傾向であると危惧しますが、状況についてお伺いいたします。 6点目に、高齢者施設、障害者施設のクラスターは重症化リスクが高く、具体的な感染防止対策が必要であると考えますが、その対応策をお伺いいたします。 最後に、インフルエンザとの同時流行が懸念されることから、保健所における人員体制の構築を図る必要があると考えますが、市長の認識をお伺いいたします。 次に、少子化対策について、数点、市長にお尋ねいたします。 我が国は、コロナ禍で政府の予想よりも7年前倒しで出生率が減り、婚姻の組数も10万件単位で減っているという深刻な状況であります。こういった日本の課題である少子化を克服するには、ライフステージや子供の年齢に応じた切れ目ない支援の充実を図っていく必要があると、私たち公明党は地方議員と国会議員と連携し、総力を挙げて取り組んできたところであります。 また、11月8日には公明党は、子供政策を政治の柱に据えた社会の実現と、少子化・人口減少を克服するための具体策を示した子育て応援トータルプランを発表し、さきの12月2日に成立した2022年度第2次補正予算に盛り込まれた出産・子育て応援交付金事業については、我が党が発表した子育て応援トータルプランに掲げた政策の一部を先行する政策であります。 本市においても核家族化や地域のつながりが希薄化する中で、孤立、不安感を抱える妊娠期から子育て期にわたる伴走的な支援が重要と考えますが、現在行っている支援と相談窓口の体制の状況をお尋ねいたします。 2点目に、妊娠から産後の家事支援の取組についてお伺いいたします。 3点目に、核家族化により孤立する独り親家族を含めた家庭への育児支援の取組についてお伺いいたします。 4点目に、産後鬱病の支援の具体的な対応についてお伺いいたします。 5点目に、未就園児へのケアの充実についてでありますが、厚生労働省の推計によると、保育所や幼稚園、認定こども園に通っていないゼロ歳から5歳児の未就園児は、2019年度は全国で約182万人に上り、特にゼロ歳から2歳児については、保育所などを利用していない子供が全体の6割を超えています。 現場のケアを担う自治体や民間支援団体によると、未就園児の家庭の中には、メンタルヘルスの問題を抱えた保護者が子供の世話に注力できないなど様々な困り事を抱えていると聞き及んでいます。 政府は、来年4月創設のこども家庭庁の基本方針で就学前の全ての子供の育ちの保護を担うとしており、特にゼロ歳から2歳児のケアが重要と考えますが、本市の認識とニーズを把握するための調査の考えについてお伺いいたします。 6点目に、今回上程されております子ども医療費の助成に関する条例の一部改正についてでありますが、これまで我が会派は、子ども医療費の助成の拡大を強く要望してきたところでもあります。その上で、今議会の議案に、子ども医療費の助成の対象を拡大し、併せて現物給付方式による子ども医療費等の助成を拡大するための所要の整備を行うとありますが、具体的な内容についてお尋ねいたします。 次に、子供の健康診査について、市長にお尋ねいたします。 子供の健康を育む取組については、これまでも我が会派は議会や常任委員会において意見、要望を行ってまいりました。その取組の一つとして、子供の弱視発見に向けた屈折検査機器の導入については、本年6月定例会において私より、3歳児健診での屈折検査機器の早期導入を市長及び健康医療部長へ強く要望させていただいたところであります。その上で、今定例会に子供の弱視発見に向けた屈折検査機器導入の予算が計上されたことは評価したいと思います。 そこで、市長に4点お尋ねいたします。 1点目に、中核市及び奈良県内における子供の弱視発見に向けた屈折検査機器の導入状況について。 2点目に、本市が導入を予定する屈折検査機器2台の活用方法について。 3点目に、市民へ分かりやすい周知が必要であると考えますが、その対応について。 4点目に、屈折検査機器で子供の弱視が発見された場合、その後の治療など医療機関との連携等についてお尋ねいたします。 次に、学校における不登校児童・生徒への支援について、教育長に数点お尋ねいたします。 文部科学省が実施した2021年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査の結果によると、全国の不登校児童・生徒は増加傾向であります。また、本市においても増加傾向であることが、さきの観光文教委員会において報告がありました。 現在、本市は不登校児童・生徒への対応では、教育センターでの適応指導教室HOPや公設フリースクールHOP青山、そして全ての学校にスクールカウンセラーの配置等を行っていますが、不登校児童・生徒の増加する状況については大変懸念されます。 その上で、まず不登校の可能性が見受けられる初期の対応がとても重要であると考えますが、現在、毎学期実施する生活調べアンケートを活用し、必要に応じて教育相談を勧めていますが、今後の取組についてお伺いいたします。 2点目に、文部科学省は、不登校児童・生徒への支援については、学校に登校するという結果のみを目標とするのではなく、児童・生徒が自らの進路を主体的に捉えて社会的に自立することを目指す必要があると示しており、また、保護者や教員が子供を無理に登校させるのではなく、個々の状態に寄り添った対応を行うことが定着しつつあり、それが本市の不登校の増加傾向の原因の一つであると、さきの観光文教委員会で教育支援・相談課長の御答弁がありました。 しかし、社会的に自立を目指すのであれば、積極的な関わりがさらに本市としても必要であると考えます。また、保護者や教員の信頼関係が重要であり、その上での連携による対応が大切であると考えますが、教育長の見解をお伺いいたします。 3点目に、不登校児童・生徒の増加により、学級担任が主体となってその対応をしていると思いますが、教員の負担軽減や働き方改革などの観点から、やはり専門的な知見で対応する教員が必要であると考えます。 例えば、教職員課ではスクール・サポート・スタッフといった支援員の取組がなされていますが、今後、不登校児童・生徒への支援員による対応など、支援の充実が必要と考えます。その上で、教育長の見解をお伺いいたします。 次に、観光政策について、市長にお尋ねいたします。 これまで我が会派として、本市の観光課題である滞在時間の延長、また朝型観光など、宿泊の促進を意見、要望してまいりました。その一つが若者、女性に向けた新たなコンテンツの造成であります。 そうした中、令和3年度には奈良市観光コンテンツ造成事業として民間からアイデアの募集を実施し、ウェルネスツーリズムやアニメツーリズムなどの今までにない新しい観光コンテンツを採択したことは高く評価したいと思います。 そこで1点目に、造成した事業において、女性をメインターゲットにしたウェルネスツーリズムでは、今年度10月に奈良の素材や薬草などを使った薬膳料理や、ピラティスなどの体験を取り入れ実施され、好評であったとお聞きしておりますが、実施後の状況についてお伺いいたします。 2点目に、若者をメインターゲットにしたアニメツーリズムでは、人気声優にボイスドラマへ出演してもらい、ユーチューブにて無料公開し、奈良の歴史を身近に感じていただけるようにボイスドラマと連動した観光マップを作成されました。また、ホトケ女子による聖地巡礼ツアーを実施したとのさきの観光文教委員会での私の質問における観光戦略課長の御答弁でありました。 また、ライドアラウンドinならについても、若い世代にユーチューブ動画を投稿してもらうなど新しい取組を進めたとお聞きしておりますが、若い世代の女性や若者の反響についてお伺いいたします。 以上で私の第1問目といたします。 ○議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの早田議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず初めに、コロナの第8波対策について複数御質問を頂戴いたしました。 まず、直近の新型コロナウイルス、そしてインフルエンザの双方の感染状況についてでありますが、まず、コロナの感染状況といたしましては、10月以降につきましては1週間単位の新規陽性者数が常に前週を上回る状況となっておりまして、県内医療機関の確保病床使用率につきましても徐々に増加をしてきているという状況にございます。 また、季節性のインフルエンザについては、指定されました医療機関での発生数を集計する定点把握が動向調査として行われているものでありますが、奈良県感染症情報センターが発表する週報といたしましては、現在のところ奈良県内はまだ流行期には入ってはいないものの、定点当たりの報告数は増加傾向にあるという状況でございます。また、11月30日には県内の他の地域でインフルエンザの集団感染事例もありましたので、今後は御指摘のようにコロナとインフルエンザの同時流行が発生する可能性があるというふうに認識をいたしております。 次に、この同時流行が医療現場の逼迫にどう影響を与えるかということでございますが、先ほど申し上げましたように感染者数の増加傾向が続いているという状況にありますことから、本市におきましても既に感染拡大の第8波に入っていると認識をしておりまして、今後は第7波を上回るような感染拡大やインフルエンザとの同時流行による医療負荷の増大を懸念いたしております。 その対策といたしましては、やはり感染された方皆さんが医療機関に駆け込むということになりますと医療負荷が増大いたしますので、一つの対策として、独り親家庭や準要保護世帯等の御家族に、フードパントリーの機会を捉えまして、希望者には抗原検査キットを1人2つずつ配付するなど、独自の対策をスタートさせていただいております。 また、県に対しましては、病床の稼働率を早期に上げるよう要望させていただいたところでございますが、これを受けまして、11月29日の県の定例会見におきましては、12月5日から確保病床の上限であります566床まで稼働するということが発表されたところでもございます。 次に、市民への情報周知ということでありますが、本格的な冬の訪れ、また年末年始に向けましては冬の感染拡大注意報を既に発出いたしておりまして、ワクチン接種の推進、抗原検査キットや解熱薬、食料品の備蓄の推奨、また、従来からの基本的な感染対策の徹底、この3本柱を改めて呼びかけるほか、福祉施設での対策の強化や年末年始の医療提供体制の確保などに努め、感染拡大の防止と社会経済活動の両立を目指していきたいと考えております。 続きまして、特に年末年始における、この同時流行がピークを迎えると予測される中でどのような対応をしているかということでありますが、新型コロナワクチンの接種につきましては、10月よりオミクロン株対応型ワクチンの接種を推進しておりまして、主に市内の200の個別医療機関、また本市が設置をいたしております集団接種会場、高齢者施設等への巡回施設内接種で行っております。 集団接種におきましては、10月当初は市役所1会場でありましたが、11月14日からはミ・ナーラ会場を加えまして、2会場体制で行っております。また、従来株対応ワクチンによる小児や乳幼児向けの接種、初回接種につきましても引き続き実施をいたしております。 年末年始に向けましては、年内の接種を一層促進していきたいと考えておりまして、現在、ホームページ、また主要駅でのデジタルサイネージ、公式SNSなど様々な媒体で周知を図っております。また、11月に開催いたしました対策本部会議では、新型コロナワクチンとインフルエンザワクチンの両方の接種を呼びかけさせてもいただいております。 次に、福祉施設でのクラスターについてでありますが、9月5日から10月2日の間の4週間で発生したクラスター施設は4施設で感染者数は24名でありましたが、10月3日から10月30日の4週間では6施設34名、そして、それに続きます10月31日から11月27日の4週間では14施設171名となっておりまして、4週間ごとのデータを見ていきますと、やはり徐々に増えてきているという状況が明らかでございます。 また、病院内におきましても、9月から同じ4週間で発生したクラスターが3病院ということで、院内感染を含めた感染者数は48名でございました。10月からは、同じ4週間で見ますとクラスターは1病院17名でありましたが、10月の末からは6病院105名となりまして、こちらも福祉施設同様に増加傾向が確認されております。 続きまして、高齢者施設等でのクラスター対策についてどのように考えているかという御質問であります。 やはり高齢者施設、また障害者施設につきましては、利用者の方御自身が感染対策を取るということが難しい状況の方も多いわけでございますので、重症化リスクが高いということも踏まえますと、今年の1月以降、新規感染者が急増して以降、福祉部内にクラスター対策室を設置いたしまして、専属的にこのクラスター問題には対応してきたという経緯がございます。 この福祉部のクラスター対策室におきましては、感染者の発生した事業所から提出を受けました行動履歴や接触者リストを基に陽性者との接触状況を聴取し、いわゆる拡大型の検査対象者の設定、また濃厚接触者の特定などを行っております。また、施設へ検査キットを配付いたしまして、検査結果の把握なども行っております。検査の結果によりましては、検査対象者の追加、またゾーニングの指導など、感染拡大のさらなる防止に向けまして指導や助言などを行っております。 そういった中におきまして、今回の感染拡大を受けての対応といたしましては、やはりクラスターにつきましてはまず未然防止が大変重要でございますので、高齢者施設等の従事者の方々を対象に、定期的に抗原検査キットを用いた集中検査を行うということで、これにつきましては12月6日から順次事業所に配付をいたしまして、定期的な検査を行っていただいております。 また、これから寒い時期を迎えるに当たりましては、施設内での換気の徹底、また、現場ごとの状況に応じた感染予防対策のさらなる啓発など、感染者が発生した際にはゾーニング指導を行うなど、引き続き各福祉施設と密接な連携を図り、保健所を持つ市としての強みを生かしたクラスター対策を万全に取ってまいりたいというふうに考えております。 また、保健所の体制についての御質問でございます。 9月26日以降につきましては、国の方針変更によりまして奈良市陽性者登録センターという新たな業務が加わったところでございますが、一方で、これまで大変大きな負荷でございました発生届、また疫学調査などに関わります様々な業務が大幅に軽減されたところもございます。これらの状況も踏まえながら、必要な人員を適宜取らせていただいているという状況にございます。 今般のインフルエンザとの同時流行が懸念される第8波対策といたしましては、医療逼迫に備えて、政府においては発熱外来の受診を重症化リスクの高い方に重点化するということが言われておりまして、国民の皆様に対しては抗原検査キットや解熱薬の備蓄を一方で呼びかけているという状況にございます。 そういった状況がございますので、登録センターの利用、また陽性者の相談等の業務については今後大幅に増加するということも一時的に考えられるわけでございますが、これらに対しましては、例えばAI-OCRの活用など事務の効率化を進める、また外部人材の有効な活用など、第7波以上の感染者数が発生しても落ち着いて対応ができるよう、事前の準備を含めて現在、体制を構築しているところでございます。 続きまして、少子化対策でございます。 まず1点目といたしまして、妊娠期から子育て期にわたる伴走的な支援、そして相談体制ということでございます。 本市におきましては、妊娠期から子育て期までの切れ目のない伴走的支援といたしましては、まず、妊娠届出時に保健師、助産師などが面談を実施し、出産前から支援が必要な場合には家庭訪問などを行っております。また、出産後については、こんにちは赤ちゃん訪問によりまして各家庭の状況を把握し、必要な場合には継続した家庭訪問を行い、関係機関とも連携をして関わることで、子育て家庭に寄り添った支援、また情報提供を行っております。 相談窓口といたしましては、親子が心身ともに健やかに育つ地域づくりを目指した地域子育て支援拠点、子育て世代包括支援センター、子ども家庭総合支援拠点など、身近な場所で相談ができる体制を取っております。 また、地域子育て支援センターや子育て広場などの地域子育て支援拠点では、気になる親子がおられましたら妊娠期、乳幼児期の親子を対象とした子育て世代包括支援センターに連絡してもらう体制を取っており、また、虐待リスクのある親子につきましては、子ども家庭総合支援拠点で適切な対応を行っておりまして、乳幼児虐待の重症化予防に対しても万全の体制を取っております。 続きまして、家事援助についての御質問であります。 本市におきましては、エンゼルサポート事業といたしまして、妊娠から産後、そして就学前までの家事、育児についてサポートを必要とされる御家庭に対し、ホームヘルパーの派遣を行っております。援助の内容といたしましては、掃除、洗濯、食事の準備、片づけなどに加えて、生活必需品の買物や調乳、沐浴の準備や片づけなども行っているという状況にございます。 続いて、孤立化しやすい母子家庭や父子家庭を含めた育児支援ということでありますが、生後4か月未満の乳児のいる御家庭に対しましては、こんにちは赤ちゃん訪問によりまして全戸訪問を行っており、体重の測定や赤ちゃんの成長の確認と併せまして、母親の産後の体調、家庭内の養育の状況についても聞き取り、子育てに対する支援の必要性を把握し、状況に応じて情報提供を行わせていただいております。 また、不安感や孤立感を訴えられる保護者に対しましては、保育士などの相談員が継続して家庭訪問を行うとともに、併せて親同士の情報交換や育児相談ができる地域子育て支援拠点、またレスパイトを目的としたエンゼルサポート事業の紹介、またショートステイ事業などの情報提供を行うことで、安心して子育てをしていただけるように努めております。 また、ひとり親家庭等日常生活支援事業といたしましては、独り親家庭などが一時的に生活援助や保育サービスが必要な場合、また、生活環境の激変により日常生活を営むことに支障が生じている場合には、身の回りのお世話を行います家庭生活支援員というものを派遣いたしております。 続きまして、産後鬱対策についてであります。 産後はやはり精神的に不安定になりやすいため、妊娠期からそのリスクを把握して、予防も含めた支援を行うことが必要であると認識をいたしております。 具体的には、妊娠届出時のアンケートで妊婦の方の心身の状況を精神面の既往歴なども含めて把握し、産後必要となる社会資源などが御利用いただきやすいように情報提供を行っております。また、産後の精神的リスクが高いと思われる方につきましては、早い段階で新生児訪問を行い、産後鬱病の評価を行わせていただいております。あわせて、育児の負担感、また支援体制なども確認し、エンゼルサポートやファミリー・サポート・センター事業、また産後ケア事業などの利用、必要時には医療機関との連携を行って対応いたしております。 また、母親の精神面の不安定化によりまして養育に問題が生じるような可能性があるときには、要保護児童対策地域協議会による情報共有、そしてまた定期的な見守りなどを密に行うことで、産後鬱対策や虐待予防にも努めていきたいと考えております。 次に、ゼロ歳から2歳児のおられる御家庭への、特に未就園児がおられる家庭への対応についてということでございますが、これにつきましては、基本的には地域子育て支援拠点、そして子育て世代包括支援センターなどでの相談やこんにちは赤ちゃん訪問、乳幼児健診事業などの中で把握に努めております。 例えば、地域子育て支援センターやつどいの広場、子育てスポットすくすく広場などでは、おおむねゼロ歳から3歳までのお子様と保護者の方が利用できる施設として子育てに関する相談を行っており、育児方法や食事、また発達などの相談が多く寄せられております。 また、こんにちは赤ちゃん訪問での相談に加えまして、4か月児、10か月児、1歳7か月児のそれぞれの健診の際にも、子供に関する項目と併せて保護者の方の心身の状態、また相談相手の有無、心配事など養育面についての質問を設けておりまして、その状況把握に努めております。その中では、例えば夜泣きやかんしゃく、離乳食の進め方、他の親子との触れ合う機会がないなどの困り事も寄せられております。 一方で、健診の未受診者につきましては、必要に応じて家庭訪問などを行い、親子と面談し、養育面での支援が必要だと判断した場合には継続的な支援を行っております。加えて、本市では毎年、子ども・子育て支援施策に関するニーズ把握をするアンケート調査を行っておりまして、今年度は子育て世帯生活応援プレミアム商品券発送の機会にもアンケートフォームのQRコードを掲載した案内文を載せており、ウェブで回答をいただく方法を行っております。これらの取組の中で、子育てに関する各御家庭のニーズについてはおおむね把握をすることができているのではないかと認識をいたしております。 次に、子ども医療費の助成に関する条例等の一部改正についての御質問であります。 今回の条例改正の対象となります子ども医療費助成制度につきましては、現在、中学校修了までを対象としておる制度を、18歳年度、いわゆる高校生世代まで拡大をしようとするもので、時期といたしましては令和5年4月診療分からを予定いたしております。 また、子ども医療費の助成制度につきましては、これまで特に小学校以上については償還払いということでありましたが、これの現物給付化を来年の6月から、まずは中学校修了までを対象に拡大いたします。 特にこの現物給付化の問題については、県内において本市独自の事業となりますため、医療機関等に混乱を生じさせないよう、これまでも各機関と丁寧な調整を進めてきたところであります。県内の医療機関におきましては、今回の本市の制度改正に伴い、医療システムの改修などが必要となる部分がございますけれども、この点については医師会など関係機関にも御協力をいただき、順調に進めていると認識をいたしております。 また、市民の皆様や利用対象者への周知方法といたしましては、ホームページへの掲載、また医療機関での制度の掲出など様々な機会を通して、制度の開始まで万全を期し、周知を図ってまいりたいと考えております。 続きまして、3歳児健診での弱視発見の機器導入についてということでありますが、まず、今回調査をいたしましたところ、本市を除きますと、中核市が本市以外であと61市ございますが、その中で既に同機器を導入されている市が54市、今後導入予定が5市、未定が2市でございました。また、県内におきましては、本市を除きます11市中、既に導入されているところが8市、導入予定が2市、未定が1市でございました。 また、2台購入した機器をどのように活用するかということでありますが、集団健診会場におきましては、1回当たり50から60人の児童に対して、待ち時間を短縮させるために2台の機器を活用することで検査をスムーズに行っていきたいというふうに考えております。 また、市民の皆様への周知については、受診票送付時の案内文で、新たに3歳6か月児健診の際に屈折検査を導入するということを書かせていただきたいと考えております。また、ホームページなどでの周知も併せて行ってまいります。 また、異常が発見された場合の対応でありますけれども、専門医のおられる県内の登録医療機関の精密検診の受診につなげていきたいというふうに考えております。受診結果については、医療機関からの報告により市としても把握し、未受診者に対しては市による電話等での受診勧奨を行うことで弱視の早期発見、治療に努めていきたいというふうに考えております。 続きまして、観光政策についての御質問でございます。 奈良市がコロナ禍で行いました観光コンテンツ造成事業に採択された事業についての御質問であります。 議員御指摘のとおり、10月に実施されましたウェルネスツーリズムにつきましては、参加者の8割が女性ということでありまして、大和野菜を用いた薬膳料理、また、早朝に若草山という非日常の場面でピラティスを行うなど、若者や女性にターゲットを当てたツアーとして大変好評であったと伺っております。 ツアー全体を通した意見としては、早朝にできる体験内容への期待、また、料理が健康志向に合致していること、また、大和野菜のおいしさを体験できたことなどに対して特に評価が高く、リピートを希望される声も多数あったと伺っております。 このような取組を今後より多くのお客様に提供していくことが重要であるというふうに認識をしており、このような本市の特徴や魅力を生かした体験ツアーの造成を今後も引き続き図っていきたいというふうに考えております。 また、ユーチューブ動画等に対する若者、女性の反響についてということでありますが、観光コンテンツ造成補助事業がユーチューブ動画で注目を集めたり、また、観光業界の専門誌に掲載をされたということで、今後さらに同世代、同ターゲットの皆様への周知が広がっていくということを市としても喜んでいるところでございます。今後も女性や若者のリアルなニーズをキャッチしまして、観光コンテンツに迅速に反映をしていくということが奈良ファンの獲得につながっていくものと認識をいたしております。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 教育長。   (教育長 北谷雅人君 登壇) ◎教育長(北谷雅人君) 早田議員の御質問にお答えをいたします。 初めに、不登校の可能性が見受けられる初期の対応への取組についてでございますが、議員お述べのとおり、不登校の兆しが見受けられる初期の対応は大変重要であり、そのためには教員をはじめ周囲の大人が子供たちの変化に気づくことが必要でございます。また同時に、子供が自分のSOSや友達のSOSを身近な大人に発信できる力を高めることも大切であると考えております。 毎学期実施しております生活調べアンケートにつきましては、結果の活用方法や結果を踏まえた子供たちの傾向などを各校に周知しているところでございます。各校におきましては、こうしたアンケート結果を基に、教育相談をコーディネートする教員やスクールカウンセラーを含めたスクリーニング会議を実施し、専門的な知見も踏まえながら子供たちの心身の状態の把握に努めているところでございます。 今後も、教員が子供の小さな変化を見逃さないようにするとともに、スクールカウンセラーなどの客観的な視点から子供たちの実態把握に努め、個の実態に応じて必要となる支援へとつなげてまいりたいと考えております。 次に、不登校児童・生徒への支援における保護者と教員の信頼関係の構築についてでございますが、議員お述べのとおり、子供一人一人に寄り添った支援を行っていくためには、保護者と教員の信頼関係は必要不可欠であり、学校や家庭の様子を共有し、学校と家庭が両輪となって子供と向き合っていく必要があると考えております。 こうしたことから本市では、例えば教員研修の中で保護者の話を傾聴するなど円滑な関係づくりに向けた教員研修を実施したり、加えて、保護者が学校のどの先生にでも相談できる校内体制を構築したりするなど、引き続き保護者との信頼関係の構築を図ってまいりたいと考えております。 最後に、学校における不登校児童・生徒へのスクールサポーター的な人材の必要性についてでございますが、学校における不登校児童・生徒への対応につきましては、担任一人が抱え込むのではなく、学年教員や教育相談コーディネーター、管理職といった教職員と心理の専門家であるスクールカウンセラーがチームとなって、校内で組織的に対応することが重要であると考えております。 不登校児童・生徒の数は近年増加の傾向にあることから、より充実した校内支援体制を構築するために、不登校児童・生徒に寄り添えるようなスタッフを配置することは支援策の一つであると認識しているところでございます。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 15番早田君。 ◆15番(早田哲朗君) 2問目からは質問席にて再質問をさせていただきます。 観光政策については、先ほど市長より、この新たな観光コンテンツについて詳しく御答弁をいただきました。それに関連しまして、本市の西部地域の観光の充実については、これまで我が会派より意見、要望を行ってまいりました。 富雄丸山古墳と道の駅の観光連携についてでありますが、この富雄丸山古墳を中心とした文化財の説明板の設置や、富雄丸山古墳周辺の公園活用の充実、そして、ライドアラウンドinならのようなサイクリング周遊観光のための取組など各課にわたります。 そこで、関連する各課が連携する必要が今後あると考えますが、市長の所見をお聞きいたします。 以上で2問目といたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席でお答え申し上げます。 富雄丸山古墳と新たに設置されます道の駅との観光面での連携ということでありますが、この富雄丸山古墳を含めます西部地域の観光の魅力の発信ということにつきましては、これまでも市民だよりでの特集や奈良市観光協会の情報誌でも特集を掲載するなど取り組んできたところでございます。 この日本で最大級の円墳であります富雄丸山古墳につきましては、これまで市民や観光客の皆さんが発掘体験に参加できるような事業を行うなどで多数の参加者を集客しており、西部地域に所在する貴重な文化遺産への注目を集めているところであります。 今後、国の史跡指定を受けまして広く観覧いただけるよう、古墳の整備を進めていく予定となっております。 また、県が整備を進めている中町「道の駅」では、富雄丸山古墳に隣接しているということもありまして、駐車場も設けられますことから、古墳への誘導、また市の観光情報の発信もできるものと期待をしております。 道の駅につきましては、西部地域における新たな情報発信拠点という面もございますので、本市においても観光や文化財、また道路、公園などに関係する部署がしっかりと連携して方向性を共有し、本市の魅力の発信につなげていきたいというふうに考えております。 ○議長(北良晃君) 15番早田君。
    ◆15番(早田哲朗君) 3問目は意見、要望といたします。 まず、新型コロナウイルス感染症第8波の対策については、直近の新型コロナウイルス感染状況とインフルエンザ感染状況は増加傾向であることから、年末年始における様々な対策等の確認をさせていただきました。 これまでのコロナとの長き闘いの中で、御答弁の中でも感染拡大の防止と経済活動の両立を目指すとありました。その上で、今期の年末年始の対応が非常に重要ではないかと考えます。特に、各施設等のクラスター対策を継続的に進めていただき、市民へ分かりやすい丁寧な情報の周知をしていただきますよう要望とさせていただきます。 次に、少子化対策については、妊娠期から子育て期にわたるさらなる伴走的な支援の充実とともに、子育ての多様な相談対応としては、休日や夜間、そしてオンラインによる相談体制といったコロナ禍で経験してきた非接触対応や、女性の社会進出の時代に応じたフレキシブルな対応が求められる時代であり、その上で、働き方改革としてのフレックスタイム制の導入など、どこの自治体よりも本市が子育て応援に先駆する取組を進めていただきますよう要望とさせていただきます。 また、来年4月には公明党が推進してきたこども家庭庁が創設され、行政の縦割りを打破し、多岐にわたる子育て支援を進め、これからも子供の幸せを最優先する社会を目指し、我が会派は地方議員と国会議員とのネットワークを最大限に生かして、全力で子育てを応援していく決意であります。 次に、子供の健康診査については、弱視発見の屈折検査の周知方法としては、早い段階で情報提供が必要であると考えます。例えば、出産後のこんにちは赤ちゃん訪問のときに丁寧に情報を伝えるなど、全ての子育て世帯に情報が行き渡るよう求めます。また、検査機器による発見後の対応から、治療により改善の確認ができるような寄り添った支援を要望とさせていただきます。 次に、学校における不登校児童・生徒への支援についてでありますが、教育長の御答弁からも、より充実した校内支援体制を構築するため、不登校児童・生徒に寄り添えるスクール・サポート・スタッフ等の配置は支援策の一つであるとの考えを伺いました。ぜひよろしくお願いをいたします。さらに、本年6月定例会でも要望しておりましたが、校内フリースクールについても今後引き続き検討していただきますよう要望とさせていただきます。 最後に、観光政策については、若者、女性に向けた新たなコンテンツの造成について、民間からアイデア募集を実施し、ウェルネスツーリズムやアニメツーリズムなどの今までにない新しい観光コンテンツを採択したことで、奈良市観光にとって新たなコンテンツの造成としての一つの扉を開く上でスタートラインに立ったのではないかと考えます。 この事業は、コロナ禍で地方創生臨時交付金を活用した観光事業でありますが、今後さらに観光事業として奈良市観光全体のストーリー性を発揮した事業とし、富雄丸山古墳についても、奈良県が整備を進めている道の駅は西部地域における新たな情報発信源であり、本市においても道路、公園等を担当する関係部署が連携し、本市の魅力の発信のため方向性を共有すると市長より前向きな御答弁もいただきました。 2025年4月に行われる大阪・関西万博に焦点を合わせた新たな展開を検討していただく取組となるよう意見、要望とさせていただきまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。 ○議長(北良晃君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午前11時36分 休憩   午後1時0分 再開 ○副議長(伊藤剛君) 議長所用のため、私、代わって議長の職務を行います。よろしくお願いいたします。 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○副議長(伊藤剛君) 代表質問を続行いたします。 8番桝井君。   (8番 桝井隆志君 登壇) ◆8番(桝井隆志君) 日本共産党奈良市議団を代表して、私、桝井が質問させていただきます。 一括質問一括答弁で質問をさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。 まず、行政のデジタル化とマイナンバーカードについてお尋ねをいたします。 我が党はこれまで行政のデジタル化について、国主導の内容をそのまま拙速に進めるのではなく、市民にとって便利で使いやすく、特に高齢の市民が取り残されることのないように求めてまいりました。あわせて、市民の個人情報が国に吸い上げられ、様々な産業に利用されることのないよう情報管理を徹底していくこと、そして、情報漏えいが万が一にも起きないように奈良市独自の対策を取っていくことを求めてまいりました。 そこで、デジタル化の中でも我々が今、最も危惧しているのがマイナンバーカードの運用です。その扱いについて確認をしていきたいと考えます。 まず、マイナンバーカードの導入に際し、これまでも多くの費用をかけてこられましたが、それに資するメリットが市民にあるのかどうかお答えください。 次に、保険証との統合については、強制的に取得をさせる方法、オンライン化ができない医療機関の現状があり、保険証との統合は実施すべきではないと考えております。奈良市として、この統合についての基本認識をお示しください。 次に、奈良市の公共交通の展開についてお尋ねをいたします。 奈良交通より15の路線が廃止や減便などの協議にかかっていると聞いております。コロナ禍や人口減少などで公共交通の利用者は減少しており、既存路線の運営が厳しくなっていることは理解しております。しかし、バス路線の廃止は移動の手段を失うことであり、買物や通院、通学など日常生活を営むことすらできなくなります。移動の足である公共交通の確保は、市民の日常を保障する住民福祉と考えます。行政が主体となって取り組まなくてはならない喫緊の課題であります。奈良市としても今後、住民の移動の権利をどう保障していくのか確認をしてまいりたいと思います。 そこで、協議をしている15の路線について、現時点ではほとんどの路線が来年の前半までしか継続の協議ができていないと聞いております。その後の運行の保障についてお示しください。 次に、高齢化で運転免許の返納が進む中で、市民の足の確保として既存のバス路線以外にも新たな公共交通が必要と考えます。県内自治体でも、市町村運営の公共交通が様々な形で実施をされています。奈良市での具体的な検討の状況と今後の展開、タイムスケジュールをお示しください。 バスの運行について、全てが奈良交通と今なっています。他のバス会社、タクシー事業者との協議は行っておられないのか、新規参入も含めて協議をしていくべきと考えます。いかがお考えでしょうか、お示しをください。 次に、物価高騰対策についてお尋ねをいたします。 これまでも多くの物が値上がりをしてまいりました。さらに、来年にはもっと多くの物が値上がりをするという予測がされています。特にこの秋は大幅な値上がりとなり、コロナ禍の中、厳しい生活を強いられてきた方々の生活を圧迫するものとなっています。 奈良市では専決処分として、物価高騰に対して対策が取られました。その施策の今後と他の対策について確認をしていきたいと思います。 まず、3学期の学校給食費を無償化とされましたが、次年度からも無償化を継続していくべきと考えます。その見通しについてお示しください。 次に、水道の基本料金も2か月間減免とされました。しかし、次年度以降どうしていかれるのか。こちらも継続すべきと考えますが、そのお考えがないかお示しください。 次に、その他、次年度から市民の生活を支援していく奈良市独自の施策は検討されていないのかお示しをください。 次に、物価高騰対策の一環として、インボイス制度の導入反対の立場からお尋ねをいたします。 これまで消費税が減免となっていた中小業者、農業者、フリーランスに課税を迫るインボイス制度が来年の10月から導入を予定されています。最も厳しい経営状況にある方々へのさらなる課税であり、課税されれば商品に転嫁する以外になく、商品の値上がりは避けられません。この物価高騰の中で、物価を押し上げるさらなる要因となります。今、インボイス制度の導入は、事業者だけではなく消費者にとっても、厳しい生活にさらに拍車がかかるものです。インボイス制度の導入は、今絶対にすべきではありません。奈良市からも導入しないように国に求めていくべきと考えます。 そこで、導入されたとしても、公共発注の選考に当たり、インボイス制度の登録を選考基準とすべきではないと考えますが、いかがお考えかお示しください。 次に、新型コロナウイルスの感染対策についてお尋ねをいたします。 既に新型コロナウイルスの感染は第8波に入り、感染者が各地で急増をしています。しかし、国は、感染状況が悪化し、医療体制が逼迫したとしても行動制限は行わないとしています。その中で、インフルエンザとの同時流行、近隣国での感染拡大、そしてこの感染爆発が大変懸念されています。その中で、第8波への備えについてお尋ねをしていきたいと思います。 国や県がコロナ対応病床の補助金を過去の事業実績と比較して支給する形に変更し、多くの病院では補助金がほとんどなくなり、大幅に対応病床を減らしています。県内ではもう既に半分の病床が埋まっています。第7波より奈良県では独自にトリアージ基準を進め、入院が必要な感染者も入院ができない、そういった事例が頻発しました。病床数が削減されている今、さらに入院が困難になると考えられます。 そこで、市民を入院治療から遠ざける奈良県や国の新型コロナウイルス対応の医療政策について、奈良市としてどう認識をされているのかお答えください。そして、入院ができないリスクのある感染者をどう守っていくのか、入院治療の拡大とその他の対策も含めてお示しをください。 次に、旧統一教会への対応についてお尋ねをいたします。 旧統一教会が関連する団体に奈良市が後援をしていた事実があり、後援の取消しが行われました。旧統一教会が奈良市政にも関わりを持とうとしてきたことが分かります。また、国政においては、多くの国会議員のこの団体との関係が明るみになっており、旧統一教会との癒着を断ち切ることが、今、国政の大きな課題となっています。 最も残念なことは、この奈良市においては旧統一教会に幸せな人生を奪われ、この遺恨により悲惨な事件が起きてしまったことです。 さて、そこで、この奈良市においても旧統一教会の被害が間違いなく存在いたします。この事件が起きた奈良市として、被害に苦しむ方への救済と支援をしていくべきと考えます。専用の相談窓口を開設すべきと考えますが、いかがお考えでしょうか、お示しください。 次に、介護保険制度についてお尋ねをいたします。 これまでも介護保険制度は改定されるたびに利用者の負担が増え、サービス内容が削られてまいりました。次回の改定案では、現在の対象者より所得の低い人に利用料の2割負担を拡大し、要介護1、2の生活援助をボランティアでも対応可能な総合事業に移行し、また、ケアプランも有料化、そして、施設の利用では多床部屋でも居住費を取るなど、さらなる改悪が検討されています。保険料をいくら払っても利用料が払えず、介護が受けられない実態がさらに広がることを大変心配しております。 そこで、制度の改悪が進む中で、この奈良市でも介護が受けられない介護難民が増えることが考えられます。年を取ってもこの奈良市で住み続けるためには、誰もが介護を受けられるようにしていかなければなりません。奈良市としては、この制度の改悪についてどう対応していかれるのかお示しをください。 市民から保険料を徴収し、そして積み上げた基金は市民に還元すべきと考えます。介護保険料を上げないために基金をどう活用していくのか、具体的にお示しをください。 次に、福祉医療制度についてお尋ねをいたします。 我が党は、長年にわたって子ども医療費の無料化をずっと求めてまいりました。奈良市においては、来年6月より中学生以下の現物給付がされ、18歳以下には償還で給付されることとなりました。子供を持つ家庭の負担が大きく軽減されることになり、御決断に敬意を表します。 そこで、この時点で奈良県内では、中学生以下の現物給付は奈良市のみの対応となると思われます。奈良市以外の医療機関にかかったとしても現物給付で受診ができるのでしょうか、お示しをください。 次に、18歳以下の医療費については、次年度より償還での給付とのことですが、現物給付についての見通しはいかがでしょうか、お答えください。 次に、心身障害者について、等級・種別によっては今、福祉医療制度の対象となっております。本来であれば、障害のある方は等級にかかわらず全てに福祉医療の適用を受けるべきだと考えます。実施についてはいかがでしょうか、お示しください。 最後に、クリーンセンターについてですが、お尋ねをいたします。 議会でもこれまで様々な意見が出されてきており、しかし、これらの意見に対してはほとんど進捗がありません。そもそも、単に施設が古いので新しいものを建てればいいというものではありません。どのようにごみを処理していくのか、いかにごみを減らすのか、そしてまた、この気候危機に対してどう対応していくのか、こういった目標、目指すべき指針を示し、それに基づきどのような施設を造っていくのか、具体案を示す必要があると考えています。その具体案をもって建設地や運用などを示し、候補地住民と交渉していかなければ何も進みません。 そこでまず、ごみの減量化、気候危機対応も含め、どんな設備を目指しているのか具体的にお示しをください。あわせて、タイムスケジュールもお示しください。また、現在の環境清美工場の稼働状況について、大きな支障なく稼働できているのか、これをお示しいただきたいと思います。 これで1問目を終わります。 ○副議長(伊藤剛君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの桝井議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず初めに、マイナンバーカード制度についての御質問であります。 メリットが市民に対してそもそもあるのかという御質問であります。 マイナンバーカードにつきましては、顔写真入りの本人確認書類として御利用いただけることをはじめ、市役所等の窓口にお越しをいただくことなく近くのコンビニなどで住民票の写しや課税証明書などが取得できること、また、新型コロナワクチン接種証明書の電子交付における手続の簡素化、また、いつでもどこでも各種行政手続が行えるオンライン申請の際に安全かつ厳格な本人認証が行えることなど、様々なメリットがあるものと認識をいたしております。 次に、保険証との統合についての市の考えということでありますが、本年6月7日に閣議決定をされました経済財政運営と改革の基本方針2022におきまして、2024年度中を目途に現行の保険証を原則廃止し、マイナンバーカードと保険証の一体化を進めるとの方針が示され、10月13日には厚生労働大臣及びデジタル大臣より保険証の廃止時期を2024年秋とすることが発表されております。 保険証とマイナンバーカードが一体化されますと、就職、転職、結婚された際に新たな健康保険証の発行を待つことなく医療機関や薬局を利用することができるようになります。また、本人が同意をすれば、初めての医療機関でも特定健診情報や今までに使った薬剤情報を医師などと共有することも可能となり、より適切な医療を受けることができるなど、市民の方々の利便性がさらに向上するものと考えており、国の動向を注視しながら市としても一体化を進めていくべきものと考えております。 一方で、様々な御事情でマイナンバーカードをお持ちでない方に対しましても、当然ながら確実に保険診療を受けていただくことは必要なことだと認識をしており、現在、国において新たな制度を検討していると伺っておりますので、この点については状況を見守っていきたいというふうに考えております。 続きまして、公共交通についての御質問でございます。 現在協議をされている15路線について、今後どうなるかということでありますが、この15路線につきましては、多くの路線が令和5年3月までの路線継続の申入れでありますため、奈良交通とは路線の再編や継続について協議を行っているところであります。 路線の再編に当たりましては、関連する地域との協議にも時間を要するため、現在は奈良交通や関係地域との協議の中で一定の方向性を見いだしながら、方向性の決まった路線から順次再編や見直しを行っており、再編案や代替手段への移行案が決定するまでの運行の継続も含めて奈良交通側とは協議を行っております。 次に、奈良市が主体となった公共交通の検討についてということでありますが、議員お述べのとおり、高齢化や運転免許の返納が進む状況におきましては、既存のバス路線以外にも、バス路線を補完する新たな交通手段のニーズが高まっているということは認識をいたしております。 現在、バス路線の再編と併せまして、一部の市街地地域や東部の中山間地域におきまして、バス路線の代替やそれを補完する交通手段の導入についても検討を進めております。今後、本格導入に向けたモデル地域を設けまして実証実験を行い、他の地域への展開も含めて取り組んでいくべく検討いたしております。 次に、奈良交通以外の事業者の可能性についてということでありますが、市内の路線バスの運行につきましては、奈良交通と、一部は三重交通に担っていただいているものの、先ほどからの御質問にもございますように、奈良交通からはバスネットワークの維持の協議の申入れをいただいているという状況であり、市内の交通体系を維持していくためには、他の事業者も含めて協議を行っていく必要があるものと考えております。 なお、東部地域でのコミュニティバスの実証運行に当たりましてはタクシー事業者からも協力をいただいており、今後、バスネットワークの再編も含めて新たな交通体系を構築していくためには、タクシー事業者などのバス事業者以外の事業者とも連携を図っていくことが求められていると認識をいたしております。 続きまして、物価高騰対策についての御質問であります。 まず、給食費の無償化について、次年度以降も継続していくべきではないかという御意見でございました。 子育て施策につきましては、自治体間での格差が生じていくのが本来の形ではなくて、どの地域、どのまちで生まれてもひとしく国民として受けられる権利は保障されるべきものであると本来考えております。今回の奈良市独自の3学期分の給食費の無償化につきましては、子育て世帯の負担軽減を図るために臨時的に国の財源を活用した取組でありますが、これを通年で行いますと約11億円の財源が必要となるという見込みでございます。これをたとえ1学期間に限定をしても3~4億円の財源が必要となりますので、国の取組なくしては、市独自で対応していくということはなかなか難しいものであるというふうに考えております。 次に、水道料金の減免についても、来年度以降も継続をしてはどうかという御意見でございました。 水道事業につきましては、原則、独立採算で事業運営をすることが基本とされており、水道を運営していく費用につきましては、やはり水道料金により収入し、運営をしていくことが原則であると考えております。今回の基本料金2か月分減免ということにつきましては、これも給食同様に国の財源を活用しての取組ということでありますので、今後の展開につきましては、国によるこのコロナ対策の財源や予算規模等を踏まえながら判断をしていくべきものであると考えております。 続きまして、物価高騰対策について、次年度以降の対応をどのように考えているかという御質問であります。 令和5年度の予算編成過程におきましても、物価高騰の状況、また市民生活への影響は当然考慮しながら予算編成を行っていく必要があると認識をしております。コロナ禍における物価高騰への取組につきましては、これまでは市独自の施策については国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用して行ってきておりますけれども、内閣府の令和5年度予算概算要求におきまして、新型コロナウイルス感染症の状況を踏まえた地方創生の推進に必要な経費につきましては予算編成過程において検討するとされておりまして、金額等は示されていない状況にございます。また、国の第2次補正予算におきましても、同交付金約7500億円の増額が盛り込まれておりますが、詳細については示されていないところもございまして、来年度に本市が活用できる予算の配分の有無についてはいまだ不透明な状況にございます。 市といたしましては、市民の皆様が安心して暮らすことができるよう、市の財政負担にも留意をしながら施策の検討をしていきたいというふうに考えております。 続きまして、インボイス制度についての御質問であります。 特に公共工事等、公共発注の際において、このインボイス制度がどう影響を与えるかという御趣旨の質問だと理解をいたしておりますが、地方自治法施行令におきましては、入札参加資格におきましては経営の規模、状況、工事等の実績、技術的適性の有無などに関する必要な資格を定めることができるとされております。 これに関しましては、インボイスの適格請求書発行事業者であること、またはないことを入札参加者の資格要件とすることは適当ではないという趣旨の通知が総務省から10月7日に出されておりまして、本市といたしましても、この通知を踏まえた運用をしていくことが求められていると認識をいたしております。 そういった意味では、市が発注をする工事、また備品の購入などにおいて、インボイスの発行ができないという理由のみをもって免税事業者を入札から排除するということは、現時点では考えていないということでございます。 続きまして、コロナ対策について、国や県の医療政策についてという御質問でございました。 国におきましては、ウィズコロナの新しい段階への移行に向けて全数届出の見直しが9月26日から行われたほか、11月18日には感染拡大で保健医療への負荷が高まった場合に備えて、オミクロン株に対応して外来医療等の状況に着目した新たなレベル分類に見直したほか、各都道府県での実情に即して、各段階に応じた感染拡大防止措置を講じるよう方向性が示されたところでございます。 医療政策についてというところで申しますと、県におきましてはこれまでも入院や宿泊療養に関する県独自の療養先トリアージ基準を設けており、本市もこの基準に基づいて県の入院・入所調整担当者と随時調整を行い、入院や宿泊療養の対応を行ってきたところでございます。 本市といたしましても、広域的な医療提供の担い手は県であるということもございますので、今後、適切な医療体制を確保できるよう、引き続き県とも連携を図っていく必要があると考えており、感染状況に応じた対策を引き続き進めていきたいと考えております。 次に、リスクのある方に対する第8波対策ということでありますが、今後は第7波を超える感染の拡大、そしてインフルエンザとの同時流行など医療負荷の増大が懸念される状況でありますので、市といたしましても既に冬の感染拡大注意報を出しまして、市民の皆様への啓発、またワクチン接種の推進などを進めていっているところでございます。 また、独り親家庭などを対象とした抗原検査キットの配付や、クラスター化を未然に防ぐための福祉施設への集中的な抗原検査の実施などの取組を進めております。また、自宅療養となった場合にも、自宅待機者フォローアップセンターの医師の診察や薬の処方のほか、病院の受診調整や入院調整なども行っております。 その他、様々な取組を講じることで、感染されても不安なく療養ができる体制を、市でできる限りのことに取り組んでいきたいというふうに考えております。 次に、旧統一教会についての御質問であります。 市民からの相談状況ということでありますが、現在開かれている臨時国会におきまして消費者契約法の改正案が提案され、霊感等による告知を用いた勧誘に対する契約取消権を行使できる期間を延長する内容が審議されております。また、政府におきましては、契約によらず献金等による被害を受けた方を救済するための新規法案が先週12月1日に閣議決定されたところであります。 市といたしましては、これらの動向を注視しながら、本市が行っております法律相談、また法テラスが行っている霊感商法等対応ダイヤルの紹介を適切に御案内していきたいというふうに考えております。 次に、介護保険制度についての御質問であります。 まず、国におきましては、介護保険制度をめぐりまして、令和6年度から3か年の第9期介護保険事業計画に向けた制度の見直しの議論が現在進められております。直近では、本年11月28日に厚生労働省の社会福祉審議会介護保険部会が開催されまして、現在、介護保険サービスの利用者負担が2割となっております、いわゆる一定以上の所得のある方の対象範囲を拡大することなどの議論がされております。 今後、高齢者人口の増加に伴いまして介護給付費も増大する中、必要な方に必要なサービスを提供すると同時に、給付と負担のバランスを図りながら介護保険制度の持続可能性を高めていくということは、これはやはり国全体の大きな課題であると認識をしております。 介護保険制度につきましては、国の制度として今後も引き続き適正に進めていくべきものでありますので、市といたしましては、やはり高齢になっても生きがいを持って、住み慣れた地域で元気で安心して暮らしていただける環境を整える責務があると認識をしております。 お問合せの介護給付費準備基金の取扱いについてでありますが、介護保険制度が3年間の財政運営を行うことで生じる第1号被保険者保険料につきまして、適切に管理するために設けられているものでございます。この基金を有効に活用し、第1号被保険者の保険料の上昇を可能な限り抑えていきたいというふうに考えております。 次に、子ども医療費助成制度について、2点御質問をいただきました。 現物給付方式に変更することに伴って、市外の医療機関を受診した際にはどうなるかということでありますが、まず、今回の改正によりまして、現物給付の対象年齢が令和5年6月診療分より中学校修了まで拡大をするものでありますが、本制度を利用できる医療機関につきましては、現在の就学前児童までと同様に、基本的には県内全ての医療機関が対象となります。 本市の独自事業として県内他市町村に先立ちスタートをするため、現場には若干の混乱が生じることも懸念されますが、そういったことが起きないように、事前に医師会等としっかりと連携を図りながら周知に努めている現状でございます。 次に、現物給付化を18歳年度末まで拡大するという考えについてという御質問でありますが、18歳まで子ども医療費助成制度の対象を拡大するということについては、まず、来年の4月診療分から拡大をさせていただきたいと思っております。しかし、これはいわゆる償還払い制度でスタートということになります。 現在、県下におきましては、18歳年度末となる高校生世代まで助成対象とされている市町村が3市3町4村ございまして、来年度以降さらにこの自治体数は増えるというふうに聞き及んでございます。また、本市が来年の6月から中学生までの現物給付化を実施する方針を決めたことによりまして、他の県内の市町村におきましても令和6年度中の対象年齢拡大に向けての動きが始まっております。 一方で、62の中核市のうち30%の自治体では、既に高校生までを対象に現物給付化が導入されているという状況も理解をいたしております。本市におきましてもできる限り早い時期に18歳年度末までの現物給付化を実現していくべく、関係機関等と調整をしていきたいと考えております。 続きまして、心身障害者医療費助成制度につきまして、等級によらず対象を拡大するということをどう考えるかということでありますが、現在の県の心身障害者医療費助成制度につきましては、身体障害者手帳1級または2級、療育手帳Aのいずれかを所持されている方で、制度基準の所得要件を満たす方を対象に医療費の一部助成が行われております。 これに加えまして、本市におきましてはこの所得要件を撤廃し、助成対象となっていない療育手帳Bの方まで対象とするという独自の施策をこれまで展開してまいりました。 この事業の財源といたしましては、県の制度の基準となる対象分については県から2分の1の補助金が交付をされますが、市が独自で拡大をしている部分については全額市で負担しているという状況にございます。 市が独自で拡大した制度の対象者につきましては現在2,000名ということになりまして、これを身体障害者手帳の等級にかかわらずに拡大をいたしますと、おおよそ4.8倍になるという見込みをいたしておりまして、現在の2,000人が約9,600人に、対象が大幅に増加をするという計算となっております。これを市単独の財源で賄っていくということは、なかなか現実的には厳しいものであると認識をいたしております。 続きまして、クリーンセンターについての御質問でございます。 今後の指針についてということでありますが、本市におきましては2050年ゼロカーボンの実現に向け、目指すべき将来ビジョンを策定中でありますが、その将来ビジョンのまちづくりの拠点の一つとしても新クリーンセンターが考えられるというふうに認識をしております。 新しいクリーンセンターについては、単にごみを焼却処理する施設ということではなくて、様々な可能性を持った、地域に新たな価値を創出する施設であるべきだと認識をしております。具体的には、ふだんは日常の中で地域の皆様に御利用いただく憩いやにぎわいの場として、また、子供たちにとっては環境学習を行う場として、また、災害時には防災の拠点として、地域の皆様の命や安全を守る拠点として活用していくということが考えられます。また、地域エネルギーセンターという役割でも大きく貢献できるというふうに考えており、今後、まちづくりの核となるような施設として建設を進めていきたいというふうに考えております。 今後のタイムスケジュールについてということでありますが、まず今年度につきましては、策定予定のゼロカーボン戦略におきまして、今後の脱炭素化に向けて省エネルギーの徹底と再生可能エネルギーの最大限導入を核としたシナリオを作成し、その中で新クリーンセンターを核としたまちづくり構想を地域特性に最適化した再エネ導入施設として検討していくとともに、今年度作成中の奈良市脱炭素ロードマップにも位置づける予定であります。 なお、新クリーンセンターでは、今年度、広域化から単独と変更となりましたことから、既に広域を前提につくっておりました循環型社会形成推進地域計画については、市単独の形で修正をいたしまして、県を通じて国に提出をするとともに、施設整備基本構想を策定する予定をいたしております。また、地域からの要望も多いアクセス道路については、調査等必要な業務をしっかりと進めていきたいというふうに考えております。 なお、今年度予定をいたしておりました施設整備基本計画につきましては、広域から単独になりましたことから、県のごみ処理広域化推進補助金が見込めなくなりましたことから、これにつきましては仕切り直しをしまして、令和5年度に予算計上を改めて行っていきたいというふうに考えております。 また、その後、その施設整備基本計画策定後には、環境影響評価の第2段階でございます方法書に取りかかる必要がございます。その後、方法書に続きまして準備書、評価書と順次進め、環境影響評価につきましては令和7年度中の完了を目指していきたいと考えております。並行いたしまして都市計画決定に向けた手続を進め、こちらにつきましても令和7年度中には都市計画決定を行っていくことが必要であると認識をしております。 また、用地につきましても順次、地権者の土地及び建物等の調査を実施し、都市計画決定後、遅滞なく用地取得ができるよう計画的に準備を進めていく必要がございます。 一方で、新クリーンセンターの施設建設工事を行うためには、工事用の車両が通行するための道路も必要となります。建設工事に着手するまでにはアクセス道路の整備を行う必要もあり、これについては令和8年度中の完了を目指していきたいというふうに考えております。 その後、事業者の決定、施設建設工事、試運転などを経て、令和12年度から本稼働を目指すというのが当初の計画でございます。 続きまして、現在の環境清美工場の稼働状況についての御質問であります。 御案内のように、現在の工場につきましては、竣工から40年近く経過し、各機器におきましても腐食、そして摩耗が確認されており、熱、排ガス、そして薬品等の接触に伴う劣化の進行、老朽化の影響が見受けられます。 そのため、定期的な維持補修として、4炉構成であります焼却炉のうち各炉おおむね1年半周期でオーバーホールを行っておりまして、そのオーバーホール期間がそれぞれ1~2か月程度かかっておりますので、これが焼却能力の低減につながってしまっているという状況がございます。また、必要に応じて故障箇所の修繕を実施しながら運転を何とか続けているという現状にございます。 新しいクリーンセンターが稼働するまでの10年弱の間、現工場でごみ処理を継続していくことになりますので、安定的かつ安全な操業を維持していくことができるように、工場の維持補修についてはしっかりと進めていきたいというふうに考えております。 ------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------ 以上でございます。 ○副議長(伊藤剛君) 8番桝井君。 ◆8番(桝井隆志君) 回答ありがとうございました。 それでは、この席から2問目をさせていただきます。 2問目について、介護保険制度について再度お尋ねをいたします。 先ほどの答弁をいただいた内容に、給付費と負担のバランスを図りながら持続可能性を高めていくと言われました。また、その一方で、高齢になっても住み慣れた地域で元気で安心して暮らせる環境を整えていくとも回答をいただいています。 給付費と負担のバランスを図るということは、今後、高齢者が増え、給付費は伸びていきます。当然、保険料や利用料も上がっていくことになります。今でも厳しい生活をされている高齢者は本当に少なくありません。これ以上の負担を市民に求めて、元気に安心して暮らせるか、私にはとても幸せに笑顔で暮らす高齢者の姿は想像できません。その点について、率直に市長、いかがでしょうか。 ○副議長(伊藤剛君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 先ほど申し上げましたように、介護保険制度につきましては、一つには高齢者人口の急増、そして、いわゆる負担をする現役世代の人口の減少というこの2つの状況がございまして、これらを踏まえた上で、制度をいかに将来にわたって持続可能なものとしていくかということが一番重要な点だと認識をしております。その中では、当然ながら1人当たりの介護給付費が伸びますと、介護保険料への影響が避けられないという仕組みになっているのが現状でございます。 一方で、財政力に余裕のある自治体だけが介護保険料等の低減に独自財源を投入するということが過剰に進みますと、暮らしている自治体によって受けられる支援や、また受益と負担の関係に大きく差が生じるということになりますので、基本的には、やはり介護保険制度自体は国の制度でありますので、国においてそのあたりの制度設計はしっかりと見直しを行うなど対応していくことが必要であると認識をいたしております。 市として独自にできることということで申しますと、やはり健康寿命の延伸につながるような取組、また、地域活動への参画などを通した居場所ややりがいを感じられる老後の構築など、生涯にわたって市民の皆様が安心して暮らせるような取組については、市の担当分野であると認識をいたしております。 ○副議長(伊藤剛君) 8番桝井君。 ◆8番(桝井隆志君) 回答ありがとうございました。 ここからは主張と要望とさせていただきます。 まず、行政のデジタル化とマイナンバーカードについてですが、国家公務員の身分証をマイナンバーカードに統合しようとしたら、情報流出を懸念して多くの省庁から反対があり、実施が見送られたとの情報があります。まさに運用する側であるはずの身内からも危惧されているのが今の運用の実態です。 また、保険証との統合についてですが、マイナンバーカードの取得は任意であったはずです。しかし、保険証との統合ということは国民に取得を強要するものであり、容認できるものではありません。 また、医療の現場や団体からも多くの懸念が出されています。それは、今、病院の多くが電子カルテを使用しています。しかし、電子カルテが停止してしまうと、オペをしようとしてもその場所すら分からない。そしてまた、命に関わります。また、今まで投与してきた薬、検査データも全く確認ができず、その患者に絶対投与してはいけない禁忌薬、そういったものも分からない。 以上のことから、多くの病院ではカルテ情報の流出、そしてまたサイバー攻撃を防ぐために、電子カルテのサーバー本体はネットと切り離して基本的には運用しています。ところが、マイナンバーカードの端末をサーバーと連動すれば、たちまち攻撃の糸口をつくることになります。大阪の病院も本体はオンライン化されていませんでした。しかし、給食の食材発注のシステムがつながっていたため、そこから侵入され、サイバー攻撃を受けました。まさに病院にとっては、マイナンバーカードでつなぐこの情報はオンライン化することはできません。デジタル化の意味は全くありません。それであれば、本当に病院が独自に作っている診察券のほうがはるかにスムーズであります。 こういった様々な観点からも、マイナンバーカードと保険証の統合は決して進めないように強く国に要望いただきたいと思います。 次に、奈良市の公共交通の今後の展開についてです。 現在のバス路線が廃止にならないように協議を進めていただいて、そこは感謝を申し上げます。その上で、今後については、現行のバス路線の継続のみではなく、新たな住民の移動手段の確保をお願いしたいと思います。既に奈良市主体の公共交通の実証運行も計画をいただいているようですので、住民の意見をちゃんと反映して進めていただきたいと思います。今後は多くの事業者に協力をいただいて、市内の各地に広げていただきますようにお願いを申し上げます。 少し言い添えますと、現在担当いただいている担当の部署は5名で担当されているようです。今後、市内に広げていくためには、あまりに過重ではないかと思いますので、人材の拡充も含めてお願いをしたいと思います。 次に、物価高騰対策についてですが、学校給食の次年度の無償化は難しいという御答弁でした。我が党は、これまでも学校給食の無償化をずっと求めてまいりました。教育を受けることと同じく、給食を食べることを保障し、無償で提供すべきと考えます。引き続き求めてまいりたいと思います。 また、水道の基本料金の減免ですが、こちらも予算上難しいとの御回答でした。物価高騰の中、市民の生活を直接支える方法として、他の物価高騰支援策とともに、年度途中からでも実行できるように再度検討をお願いしたいと思います。 次に、インボイス制度についてですが、先ほども触れましたが、インボイス制度は事業規模が小さい消費税の負担がとても厳しい事業所に新たに課税をするものであり、個人商店のみではなく、フリーランスで働く人々にものしかかってまいります。今まさにコロナ禍で仕事量が減り、物価が上がり、そして社会保障費も上がる中で、さらなる課税は本当に廃業せざるを得ない人、そしてまた新たに生活苦に陥る人をもっと生み出すことになります。このような状況下で、インボイス制度の実施は絶対にあり得ないと思います。奈良市からもこの制度の実施を見送るように国に強く要望いただきますようにお願いします。 次に、新型コロナウイルス感染対策についてですが、国は緊急事態宣言、そしてまた非常事態宣言なども都道府県の判断とし、行動制限は一切行わない、自粛に対する補助金も全く出さないという姿勢を打ち出しました。まさに感染対策も全て地方自治体に行えというものです。この中で感染症から市民の命と健康を守るには、自治体の役割はとても大きくなってしまっています。 感染し、容体が悪化した際に命を守るには、やっぱり入院治療がどうしても不可欠です。奈良県は566床に対応病床を増やすとのことですが、この対応病床でもとても足りない、私はそう思います。感染の拡大が広がるたびに同じことを繰り返すのは本当にやめて、入院加療が必要な感染者がちゃんと入院できるように、奈良県に強く働きかけていただきますように切にお願いを申し上げます。 次に、統一教会への対応についてですが、旧統一教会の被害に遭った方の救済のための新法が今、国会でも論議をされています。しかし、論戦でも指摘をされているように、内容は残念ながら被害者の多くを救済できるものではありません。 ここで私が申し上げるまでもなく、旧統一教会がこれまで行ってきた霊感商法、寄附の強要などの被害は、このまま放置しておくことは絶対にできません。被害に遭った方からちゃんと発信をいただくためにも、支援をしてもらえる、そんな安心感が必要です。最も身近な行政が相談に応じてくれれば、多くの方が声を出すと思います。 奈良市としても法テラスなどの紹介をいただいていますが、ぜひ、市民だよりなどにも掲載をいただいて周知を図っていただきたいと思います。事件のあった当該の地として、市民が安心して相談ができる専用の窓口の設置を今後もお願いしたいと思います。 次に、介護保険制度についてですが、先ほども触れさせていただきましたが、介護保険の改定は、本当に改定のたびに利用者の負担が増えてまいりました。その中でも今回の改定案は、最も負担が多い最悪の改定案となっています。 高齢者は今後増えてまいります。当然、介護給付も増えていきます。現在の財源構成では、保険料も上がり続けることになります。しかし、1号被保険者のほとんどは年金生活者です。年金も引き下げられる中で、負担できる保険料は本当に限られています。2号被保険者も所得が上がらない中、これ以上の負担は恐らくできないと思います。また、利用料の負担率や施設の利用料も増え続ける中、保険料を払っていても利用料が払えず介護サービスが利用できない、そんな方がますます増えていきます。そもそも、この人口比になることは以前から本当は分かっていたはずです。この制度設計を変えていかなければ、残念ながら日本の高齢者は介護がまともに受けられない、そんな事態に間もなく陥ると思います。直接市民の生活を守るこの自治体として声を上げていただかなければ、市民は本当に年を取ることすらできなくなります。 介護は誰もがいつ必要になるか本当に分かりません。今、変革をしていかなければ、安心して老いることすらできません。勇気を出して、市民のためにこのかじを切っていただきますように本当にお願いをします。まずは基金の投入から、思い切った判断をよろしくお願い申し上げます。 次に、福祉医療制度についてです。 これまでも我が党が要求をしてまいりました子ども医療費無料化について、大きく進めていただいたことに感謝申し上げます。引き続き、18歳までの現物給付に御努力をお願いいたします。 一方、心身障害のある方の1級、2級、療育A、Bの方には医療費助成がございます。しかし、それ以外の障害をお持ちの方には、医療費の助成が今ありません。障害の認定は大変微妙なもので、診断を受ける環境によって大きく変わってまいります。何よりも、障害を持つ方にとって、等級にかかわらず医療の支えは本当に不可欠であります。誰よりも医療を必要とする人々を等級で分けるべきではないと思います。障害を持つ生きづらさを抱えた皆さんを医療で支えることができるよう、給付の対象を全ての障害に拡大いただきますようにお願いを申し上げます。 最後に、クリーンセンターと環境清美工場についてですが、今目指すべき指針など答弁をいただきました。しかし、実際にどのようにごみを処理していく施設なのか、市民にとってどんなふうに活用ができるのか、具体的な施設の概要が全く想像できませんでした。 現在、環境清美工場をあと10年間稼働させることを目標にメンテナンスをされていると聞いております。10年以内に新しいクリーンセンターを造っていくためには、今すぐこの新施設の青写真をちゃんとつくっていただいて、市民にまず提示をする、そして意見を集める、そしてまた、この議会にもしっかりと提示をいただいて、議論をしていかなければ間に合わないと思います。他の自治体に誇れるクリーンセンターを造っていくために、早急に具体案の提示をお願いしたいと思います。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○副議長(伊藤剛君) 17番鍵田君。   (17番 鍵田美智子君 登壇) ◆17番(鍵田美智子君) 明日の奈良を創る会、鍵田美智子でございます。 会派を代表し、一括質問一括答弁で市長並びに教育長にお伺いいたします。 令和4年、この本12月定例会では、年末年始に向けての新型コロナウイルス感染症第8波へ向けての対応経費の中で、医療提供体制の整備、感染拡大の防止等、万全な体制へ向けての予算が計上されました。 現在、長引くウクライナでの戦況の影響を受けて、度重なる物価高の厳しい試練を奈良市民も余儀なくされ、生活困窮世帯への支援がさらに拡充される等、気を引き締めての年末年始が待ち受けています。 また、12月定例会の閉会後には3年ぶりとなるおん祭の通常開催が予定され、新しい年の令和5年春には新たな統一地方選挙の改選を迎え、奈良県のリーダーを選出し、奈良県と共に奈良市も力強くさらに前進していく年としていかなければなりません。 そんな中で、今最も注視し、抜本的な対策をしていかなければならない社会課題の一つが少子化対策です。奈良市はもとより、日本の国そのものの構造的課題になっていますが、本日、市長とは、市政全般の課題の元凶となっている人口減少や少子高齢化における地域コミュニティーの衰退、経済の縮小に伴う大きな影響に対し、会派を代表して率直に議論をさせていただきたいと思っています。 初めに、第5次総合計画について数点お聞きしてまいります。 本市の各種計画についてですが、今年度は2031年度までを計画とする第5次総合計画の最初の年度に当たります。総合計画は、市政の根幹となるまちづくりの目標を明らかにし、これを達成するための市政全般に係る施策の基本的な方向を体系的に明らかにするため策定されたものです。 そして、本市には目的に応じて特定の分野に関する様々な個別計画もあります。この個別計画は、分野ごとの行政課題に対応し、より具体的な取組等を明らかにするものであり、総合計画と整合性を図り、総合計画に示す考え方を具体化する計画と位置づけられます。 そこで、本日は数点の行政分野について、総合計画や個別計画に定められている計画内容どおりに施策が実行されているのか、この観点から質問をしたいと思います。 1問目に、人口減少対応について伺います。 まずは総合計画の冒頭において示されている本市の人口の推移の実績と将来の推計を見ると、少子化が一層進展することがうかがえます。それに歯止めをかけるには、特定の部署が頑張って対応するだけでは大変困難であり、本市全体で取り組むことが必要と考えられます。本市における人口減少対応として、どのような取組が行われているのか伺います。 2問目に取り上げるのは、行財政改革の計画と定員適正化計画です。これらは、第5次総合計画では各論の第5章しくみづくりに関連する個別計画です。 総合計画に掲げられている施策の方向性を見ますと、限られた経営資源を有効に活用し、効果が最大となるような行財政改革を進めるという記述があり、職員定数については、職員数の適正化を通じた人件費の見直しを図り、経常的な行政コストを見直すとの記述があります。しかしながら、総合計画の計画期間が定まっているにもかかわらず、これらに関する個別計画がまだ作成されておられません。 そこで、次の行財政改革と定員適正化計画の策定見通しについて、市長にお伺いいたします。 3問目に、公共施設の統合と再編について伺います。 総合計画と同じく、第5章の施策の方向性には、市が保有する施設の適正配置や統廃合等に取り組み、公共施設の有効活用を図ると書かれています。これも次の行財政改革に盛り込まれるのでしょうか。 各公共施設にはおのおのに建てられた経緯があり、それを利用されている市民がおられます。今後の人口減少を考えると、本市全体としては公共施設の総量を減らしていかなければならないということは理解をいたします。しかし、一方で、住民サービスの質を維持するという視点も重要だと考えます。 そこで、公共施設の再編や統廃合に当たって、住民サービスの確保という点をどのように考えておられるのかお伺いいたします。 次に、きたまちのまちづくりについて伺います。 1問目に、若草中学校区学校規模適正化計画についてお聞きします。 私の住む鼓阪地域にある鼓阪小学校が佐保小学校と統合されるという計画が、地元住民の皆様に説明されました。 総合計画には、子供たちが集団の中で切磋琢磨できる学習環境を整えるために、過小規模校、小規模校を対象に中学校区別での適正化に加え、隣接する学校区の状況、教育の方向性、校舎の長寿命化に鑑み、学校の規模や配置の適正化を目指すとされており、鼓阪小学校の統合はこの内容に沿ったものだと思われますが、改めて、鼓阪小学校を佐保小学校に統合するこの理由について、市長に伺います。 2問目に、鼓阪幼稚園跡地計画についてお聞きします。 小学校の統合計画を聞かれた住民の中からは、幼稚園がなくなり、小学校も統合されようとしている、私たちの地区はこのまま寂れていくのではないか、このような声が届いております。子供たちの教育環境を整えるためという理由が小学校の統合にあるとしても、近隣にお住みの方々のお気持ちを考えると、鼓阪小学校が移転された後、その土地がどのように使われるのか、地域の活力となるような利活用がされるのかということが大きな関心事だと思います。 小学校の南側にあり、平成27年3月末の閉園後7年以上が経過した鼓阪幼稚園もいまだ活用されておらず、そのままになっています。このような状況で鼓阪小学校を統合した場合には、使われなくなった小学校と幼稚園が南北に並んで存在する状態となります。これらの土地をどのように活用しようと考えておられるのか、その方向性をこれら土地の都市計画上の規制も含めてお答えください。 また、地区の北側にある旧奈良監獄では、重要文化財をホテルや監獄史料館に改修するプロジェクトが進められています。地域活性化のためには、このプロジェクトを含めて鼓阪地区全体をどのようなまちにするかというまちづくりの視点が欠かせないと考えます。 そこで、旧奈良監獄エリア、鼓阪小学校のエリアを含めて、この地区をどのようなまちにしていこうとお考えなのか、市長にお伺いいたします。 3問目に、鴻ノ池運動公園の利便性の向上について伺います。 旧奈良監獄エリアでは、隣接する鴻ノ池運動公園があり、これまでもスポーツを通じた市民のまちづくりに力を入れてきました。さきの新聞報道では、市内を本拠地とするトップスポーツを有するまちとして論争を巻き起こしています。 今後、旧奈良監獄エリアとの結節点として、スポーツ施設の拡充や駐車場の拡充などさらなる計画が必要と考えますが、本市のお考えをお聞きします。 次に、奈良市の文化財の活用について伺います。 旧市内と言われるこのエリアは、国宝の転害門をまちの中心に抱き、世界遺産と隣接する寺社や遺跡、公園、公共施設を数多く有しており、文化財の保存などまちの維持、形成には特別な配慮を必要としている地域です。 現在の国の動向では、博物館法の改正に見られるように保存と活用は一体で行うことにシフトされ、奈良県においても文化財は保存から活用とする方向へその姿勢を示されています。本市も同様に、多くの有形無形の文化財を有する特異なる歴史遺産のまちとして存在していますが、この点について、本市のお考えをお聞かせください。 次に、環境政策について数点お伺いします。 1問目に、環境清美工場の維持運営について伺います。 老朽化した環境清美工場の維持補修について、今後、新クリーンセンターの建設までの間、環境清美工場の安定的、安全な稼働を続けることが最も重要であるので、引き続き様々な方策を検討していきたいと考えていると9月定例会で答弁されています。具体的にどのようにお考えなのでしょうか。 今回の補正予算で環境清美工場の維持補修費を計上していますが、故障箇所を後追いで修繕しているのが現状ではないでしょうか。新クリーンセンターの稼働までの今後10年程度の間、環境清美工場を維持していくために、令和3年度、焼却施設プラント調査を行い、その結果を基に包括的管理業務外部委託といった方法を検討していたようでありますが、それらも含めてもっと根本的な解決方法が必要と考えますが、お考えをお伺いします。 2問目に、新クリーンセンター建設計画について伺います。 新クリーンセンターの建設計画では、現在、周辺住民の理解、協力を得るために関係者が奔走していることと存じます。現環境清美工場の老朽化に対する懸念も、新クリーンセンターの建設計画が動き出すことにより、根本的な課題解決の一助になり得ると考えますが、残念ながらその時点にはまだ到達しておりません。しかし、このまま足踏みをしながら時間だけが過ぎるのも、課せられた責任から逃避しているだけだと考えます。昨今は、世界規模でカーボンニュートラルに向けた自治体の責任が問われる時代に大きく情勢が変化をしています。 そこで、奈良市がこれから建設を目指す新クリーンセンターの役割や位置づけについてお聞かせください。 以上で1問目を終わります。 ○副議長(伊藤剛君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの鍵田議員の御質問にお答えを申し上げます。 まず初めに、人口減少対策についての御質問であります。 まず本市の現状ということでございますが、人口につきましては、令和4年11月現在で約35万2000名となっておりまして、これは旧月ヶ瀬村、旧都祁村と合併いたしましたピーク時の平成17年の約37万人と比較いたしますと約1万8000人減少している状況でございます。 社会増を目指す取組といたしましては、この本計画第5章しくみづくりに基づきまして、シティプロモーションなど本市の魅力を発信し、奈良市への移住を促す施策をこれまで強化してきたところであります。 また、子育て環境の充実につきましては、これまで一貫して取り組んできたところであり、待機児童問題の解消はもちろんのこと、例えば第3章くらしづくりに沿ったという部分では、アートプロジェクト「古都祝奈良」の取組の一環として、これからの学び場、遊び場のビジョンを提示するコロガル公園テラスを今般、期間限定で設けたところでございました。平素は静かな市役所の屋上が親子連れでにぎわい、時折歓声が上がる様子を見ますと、参加者に御満足いただけたのではないかと感じるとともに、子育て施策については担当する部局だけではなくて、全ての部局が関係性を認識して、それぞれのできることに取り組んでいくということが重要だと改めて気づかされた次第であります。 また、自然減への対応につきましては、第1章ひとづくりに基づきまして、子供が欲しい方が経済的な理由で断念されることがないように、不妊治療及び不育治療費等につきまして、令和4年9月議会での補正予算の議決を得まして、本市独自の助成内容を拡充すべく現在取り組んでいるところであります。 このように、人口減少は特定の部署や施策の課題ではなくて、市の総合力が試される課題であると認識をいたしており、今後も総合計画の趣旨に沿った取組を私自ら率先して取り組み、住み続けることができるまち、いつかは戻ってきたくなるまち、そして様々な世代が自己実現をかなえられるまちを目指していきたいというふうに考えております。 次に、行財政改革と定員適正化計画についてでありますが、令和4年度からを計画年度とする新たな行財政改革計画策定におきましては、市の財政状況や社会情勢を踏まえて、職員・組織体制の見直し、また公共施設の適正化など6つの柱を設定し、それぞれに対して取組内容を検討してきたところであります。 現在、庁内におきまして最終的な調整を行っており、今月末に行財政改革懇話会を開催し、外部有識者の方々に御意見もいただいた上で確定し、来月には公表したいと考えております。 また、柱の一つであります職員数の適正化に関する定員適正化計画につきましては、人口減少時代におきまして、これまで同様の組織体制を維持していくことは大変難しいと考えております。その中で、安定的な行財政運営を念頭に、様々な行革手法を講じて取組を工夫していくことが重要であり、他の行財政改革の柱と整合性を図りながら進めていくべきものと考えております。 職員数につきましては、中長期的な視点を持って目標値を定め、計画的に進捗を進めていかなければならないものと考えており、現在、調整を進めております。 次に、公共施設の統合と再編についてということでありますが、その中において住民サービスの確保という観点をどう考えるのかという御質問でありました。 施設の適正配置につきましては、奈良市の現状として、これまで行財政改革に取り組み、経常収支比率は直近の令和3年度決算においては91.1%、実質公債費比率も9.3%と改善し、一定の成果を上げております。しかしながら、依然として中核市平均より高い総人件費率、また公債費比率などに加えまして、今後、少子高齢化の進展に伴って社会保障関係費の増大が見込まれ、義務的経費は増加傾向にある一方で、歳入面では生産年齢人口の減少により、税収の大幅な伸びがすぐには見込めない状況であります。 こうした状況下におきまして、自治体としては住民サービスを持続可能なものとするために、今後も引き続き行財政改革を力強く推進していく必要があります。その中では、公共施設の再編や統廃合については重要なものでありますが、単に施設を減らすというだけではなくて、複数の施設を集約化することで、1か所で複数のサービスを効率よく受けていただくことなど様々な知恵を絞り、工夫することで、住民サービスの質を維持しながら行革を進めていくという観点が重要であると認識をいたしております。 続きまして、きたまちのまちづくりについてということであります。 鼓阪小学校と佐保小学校を統合する理由についてという御質問であります。 まず、現在の鼓阪小学校の全校児童数は85名と過小規模であり、今後も減少傾向が続き、令和9年度には65名にまで減少する見込みとなっております。多様な他者と協働しながら新たな価値やビジョンを創造する力など、これから社会で必要とされる力を子供たちに身につけさせるためには、やはりよく言われることでありますが、クラス替えができるような学校規模というものが重要だと考えており、集団の中で互いに切磋琢磨しながら子供たちが学び合う環境が必要だと認識をしております。 そういった意味におきまして、鼓阪小学校の子供たちには、このようなより望ましい教育環境を早期に整えることが必要であると判断し、今回の学校規模適正化を進めようといたしている次第でございます。 続きまして、旧鼓阪幼稚園跡地計画について、都市計画上の規制も含めて考え方を述べよという御質問でありました。 本市におきましては、まず、使われなくなった公共施設につきましては、その跡地活用の基本的な方針といたしまして、まず市が行う他の事務や業務に使えないかということを検討し、そして、市では利活用の道がないと判断した場合には民間による活用を検討するという流れとなっております。 御質問の鼓阪小学校及び旧鼓阪幼稚園がございますエリアは、近鉄奈良駅から転害門、そして旧奈良監獄へと広がるきたまちの中心に位置し、東大寺や正倉院に隣接をするという、歴史的・文化的価値が非常に高い地域と認識をいたしております。また、都市計画上の規制で申し上げますと市街化調整区域であり、また、風致地区にもなっております。加えて、旧鼓阪幼稚園の一部は歴史的風土特別保存地区にも指定をされており、法令に定める要件に該当した場合のみ現状を変更することができるという厳しい規制のあるエリアでもございます。 このようなエリアであるからこそ、地域にお住まいの多くの方々の学びやであり、交流の拠点でもあった旧鼓阪幼稚園及び鼓阪小学校の活用につきましては、この地域の特性にマッチし、地域の発展につながるような使い方を民間による利活用も含めて検討していくことが必要であると考えており、その方向性が決まりましたら、まず地域の皆様にお示しをしていくことが必要だと認識をいたしております。 次に、旧奈良監獄も含めて、このきたまち、もしくは鼓阪地区をどのようなまちにしていこうと考えているのかという御質問でありました。 旧奈良監獄エリアにつきましては、法務省及び旧奈良監獄保存活用株式会社、いわゆるSPCと連携し、隣接いたします本市のロート奈良鴻ノ池パークとの一体整備による地域活性化プロジェクトを進めているところであります。 本プロジェクトの核となる旧奈良監獄につきましては、国の重要文化財に指定された歴史的・学術的価値が高い建築物であり、法務省による旧奈良監獄保存活用事業においても、保存のための耐震改修に加え、本施設を広く公開、利用するために史料館として整備運営を行うなど、その文化的な価値の高さも示されているというところでございます。 鼓阪地区には、この旧奈良監獄をはじめとした歴史的にも文化的にも価値が高い施設などが多く存在をしており、本市といたしましては本地区を文教的なエリアと捉えており、文化財や公共施設等の利活用においては、エリアの質を高めるということを念頭に、全庁の関係各課が一体となって検討を進め、にぎわいと魅力あるまちづくりを目指していきたいと考えております。 続きまして、鴻ノ池運動公園の利便性の向上という御質問でありました。 本市におきましては、このロート奈良鴻ノ池パークと旧奈良監獄との連携事業といたしまして、運動公園内におきまして今年度はスケートボードパークを整備し、次年度は、国の認定が下りますればランニングステーションの整備を検討しておりまして、スポーツ施設の機能の向上、充実を図っているところでございます。 さらには、旧奈良監獄においては民間事業者によるホテル整備等も進められておりますことから、これら施設整備によるエリアの新たなにぎわい創出に伴いましてどうしても必要となってまいります駐車場の整備など、エリア全体の利便性の向上に向けた取組も併せて行うことが必要だと認識をいたしております。 次に、文化財の保存と活用について、より活用の部分にアクセントが置かれているような今の状況の中で、本市の考え方を述べよということでございました。 現在、本市には数多くの文化財が所在をいたしており、国宝の転害門を含みますきたまちと称されるエリアにも46件の指定文化財がございます。 文化財につきましては、活用の重要性に近年特に意識が高まっているということもありまして、本市といたしましては、保存と活用を文化財保護行政におけるいわゆる車の両輪と位置づけており、このエリアにおきましても古民家の公開や歴史体験イベントの開催など、文化財を活用した取組を今後さらに積極的に展開していきたいというふうに考えております。 続きまして、環境清美工場の維持運営についてという御質問であります。 今後、新クリーンセンターの稼働までの間、環境清美工場の安定的かつ安全な操業を維持していくことは非常に重要な課題であると認識をいたしております。これまで大規模な改良工事を行ってこなかったことと併せて、施設の老朽化が著しく進んでいるため、今後10年程度環境清美工場の操業を継続するためには、昨年実施をいたしました焼却施設プラント調査で得た情報を基に焼却施設の具体的な保全計画を定め、計画で定めたとおりに修理・部品交換のルール化やスケジュールに沿ったメンテナンスを行っていく、いわゆる予防保全という考え方に沿った修繕が必要であるというふうに認識をいたしております。 この現環境清美工場を安定稼働していく方策としては、議員お述べの包括的管理業務外部委託も一案として検討しているところでございますが、その中では、昨年のプラント調査で指摘をされている多種多方面にわたる維持補修業務について、さらに経費を含めた詳細な検討が必要であると考えておりまして、新クリーンセンターの稼働までの操業継続期間を見据えて、ごみ焼却施設の性能水準を一定程度まで回復するための改良工事を行うなど、維持補修の方策についてさらに検討を進めていきたいと考えております。 次に、新しいクリーンセンターの役割や位置づけについてということであります。 近年のクリーンセンターは、単にごみを焼却する施設ということだけではなくて、多面的価値を創出する施設といたしまして、従来の廃棄物処理機能に加えて、いわゆる自立分散型の地域エネルギーセンターとしての役割も求められています。 施設の活用方法といたしましては、廃棄物処理施設の特徴を生かし、廃棄物を焼却する際には二酸化炭素の排出抑制を図りつつ、発生する熱や電力を農業や産業振興として利用ができるよう検討していきます。また、日常的には子供たちの環境学習の場として、そして災害時には地域住民の命を守る防災拠点として利活用するなど、様々な面での有効活用が求められていると認識をいたしております。 以上でございます。 ○副議長(伊藤剛君) 17番鍵田君。 ◆17番(鍵田美智子君) 2問目は質問席より市長並びに教育長に伺います。 人口減少問題について再度伺います。 これまでの取組については理解するところですが、残念ながら取組に追いつかないほど合計特殊出生率の数字がかなり悪化しています。 今後、人口減少問題について、奈良市は社会増を目指すのか、それとも自然増を目指すのか、この点についてお答えください。 2点目に、公共施設の統廃合と再編についてです。 1問目で公共施設の再編や統廃合に当たっての住民サービスの確保についてのお考えをお聞きしました。公共施設全体に関する考え方をお答えいただいたわけですが、再質問では連絡所について質問させていただきます。 連絡所は平成31年度から週2日の開所となり、今年度で4年目となります。住民に一番近い場所にある公共施設の一つで、まさに住民サービスの質に関わってくる施設です。 そこで、週5日から週2日の開所に変更して連絡所の利用状況はどう変わったのか、また、今後の連絡所の運営方針をお伺いいたします。 奈良市の文化財の活用について、教育長にお伺いします。 本市では、世界遺産をはじめとする地域の文化財や伝統行事等、教育を通して学ぶ中で、実際に現地に行き、本物に触れて学ぶことに重きを置いており、実践的な深い学びを通じた子供たちの地域に対する理解や愛着、誇りの醸成を目的とされています。 このような実践的な学びの場となる博物館や専門機関と学校教育の連携についてはどのように取り組んでおられるのかお聞かせください。 以上で2問目を終わります。 ○副議長(伊藤剛君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席でお答え申し上げます。 まず、社会増、自然増、どちらを目指すのかという究極の御質問でございます。 大変難しい質問であると認識をいたしておりますが、本市といたしましては、第5次総合計画と各施策の体系を連動、また一体化しながら人口の将来展望を示している第2期奈良市総合戦略におきましては、重点目標といたしまして、人口の社会増減についてはプラスを維持するという目標を掲げておりまして、いわゆる社会増を明確に目標値として定めているということであります。これを実現するために、様々な子育て世代への支援やシティプロモーションの実施などを行いまして、一定、効果を出していると認識をいたしております。 一方で、自然増という問題につきましては、それぞれの個人の多様化する価値観や全国的、中長期的な問題でもあるという状況にあると思っています。そうした中で、本市が取り組めるアプローチといたしましては、直接出生数を増やすということではありませんが、子供が欲しい方が経済的あるいは労力的、精神的、様々な負担感で断念するということをいかに少なくしていくかということが一つの市として可能なアプローチであると認識をいたしております。これが結果として自然増にもつながっていくものと考えており、これについては引き続き力を入れていきたいというふうに考えております。 そういったことで、今後も社会増を目指した施策をしっかりと着実に実現しながら、同時に人口減少の実情を踏まえた持続可能な社会を目指す施策にも取り組んで、人口減少に対応していきたいと考えております。 次に、連絡所の利活用状況についてということで、御指摘のように平成31年度から週2日制にいたしました連絡所が8つございます。このうち平城及び伏見連絡所につきましては、令和3年度末に閉所をさせていただいております。残る6つの連絡所、明治、帯解、大安寺、辰市、東市、精華の連絡所がございますが、これにつきましては、平成31年度から令和3年度までの証明書等取次業務に関する利用者数につきましては、週5日開所でありました平成28年度から30年度までの3か年と比較をいたしますと59.5%減少、週2日開所への移行後の3か年平均は、1日当たり平均3.3人となっております。 今後の連絡所の運営につきましては、現状の利用状況を踏まえまして、人口減少社会に対応した定員適正化のほか、マイナンバーカードの普及、DXの進展等の社会情勢も踏まえて、行財政改革の観点から連絡所の運営効率化が必要だと認識をいたしております。なお、6つの連絡所を設置している地区の自治連合会長等には、来年度から現行の週2日制から週1日制に変更するという提案をさせていただいておりまして、今後も引き続き協議を進めていきたいと考えております。 また、一方で、現在連絡所を利用されている方の多くが比較的高齢者の方が多いということもありますので、地域の行政サービスを維持する方策、また地域活動の充実につながる取組についても、地域の皆様と調整を図りながら今後の在り方を見直していきたいというふうに考えております。 ○副議長(伊藤剛君) 教育長。 ◎教育長(北谷雅人君) 鍵田議員の御質問に答弁席よりお答えをさせていただきます。 博物館や専門機関と学校教育の連携についてのお尋ねでございます。 本市では世界遺産学習の取組の一つといたしまして、全ての小学校5年生を対象に、ボランティアガイドの方と一緒に市内にある世界遺産や奈良国立博物館などを巡る現地学習を実施するなど、子供たちが本物に触れる機会を設けております。また、国立博物館と連携した取組といたしましては、小学生を対象とした夏休みの親子イベント「親子で学ぼう奈良の仏像」を実施しております。 さらに、例えば西大寺北小学校では南都楽所による音楽と舞の鑑賞会を開催し、その様子を朱雀小学校の子供たちもオンライン中継で鑑賞するなど、地域の方々や伝統芸能に携わる方々と学校が連携し、子供たちが伝統的な踊りや楽器などを体験する学習に取り組んでいるところでございます。 一方で、教員を対象とした取組といたしましては、教員研修である世界遺産学習リレー講座の中で、埋蔵文化財調査センターの専門職員を講師として招き、参加した教員が各校区の文化財の特徴などについての理解を深める研修も行っているところでございます。 今後も博物館や専門機関と連携しながら、子供たちの地域に対する誇りや地域を大切に思う心情を高めることのできる取組をしっかり進めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(伊藤剛君) 17番鍵田君。 ◆17番(鍵田美智子君) 市長並びに教育長、ありがとうございました。 会派を代表して、本市に意見、要望を述べます。 初めに、人口減少対応についてです。 人口減少問題については、全国の人口が減少していく中で、近い将来、高齢化の進展、生産年齢人口の減少による経済規模の縮小、労働力不足、医療・介護費の増大など社会保障制度の給付と負担のバランスの崩壊、財政の危機、基礎的自治体の担い手の減少など、様々な社会的・経済的な課題が深刻化することとなることが予測されます。そのような中でも、自治体独自の取組によっては、合計特殊出生率の全国平均より大きく伸ばして人口増を続けている他市の事例も出ています。本市の社会増を明記している取組に対しての指標は何によりますでしょうか。指標があるなら、それに対して成果は出せているでしょうか。子供が減少していけば、待機児童も自然と減少します。これからは施設の定員割れが始まっていきます。生産年齢人口を引き上げようと世の中は女性活躍を叫んでいますが、女性が子育てや介護を犠牲にしなくても社会で活躍できる環境を構築していくことのほうが最優先ではないでしょうか。 少子化に対応する観点は、いかに人に優しいまちをつくるか、この1点だと思います。奈良市全体で寛容な社会を構築し、具体的な施策を形にしていくことが今本当に求められていると我々会派は感じています。 伝統的家族観から多様化が進まず、広がったのは未婚化であります。日本では配偶者がいない50歳代は3割を超し、出生率は回復せず、人口減少に拍車がかかり、結果的に合計特殊出生率は驚くほど悪化した数字をたたき出しています。 本市は、パートナーシップ制度の推進自治体としても市の姿勢をお示ししておられます。それだけではなく、子供を産みにくくする旧来常識は婚姻だけではないこと、家事の負担をめぐる男女間の不平等、キャリアと子育ての両立、多様な生き方を抑圧する概念、私たちの周りにある価値観を変え、誰もが行動変容を行っていくことだと考えます。 ファミリー制度の導入の検討など、本市が一人一人の幸せになる権利に寄り添うことはまだまだあるはずです。出生率を上げている自治体は、明確な具体的な施策と指標を立てて持続可能な社会を実現されています。男女を問わず子育て最優先、親の介護を最優先しながら働ける社会を構築していくことこそがこれからの時代に求められていくものだと思います。 次に、行財政改革と定員適正化計画について意見を述べます。 デジタル化の推進やDX化において、行政業務のうちルーチン的な業務の効率化は確かに大きく進んでいくことは理解できます。しかし、その業務が全体の何割を占めているのか分析されておられますか。 定員適正化とは、職員が時間外をせず定時で市役所を退社できることが定員適正化であり、人口減少時代の中で組織体制を維持していくことは大変難しいと。削減ありきで推し進めることは、一人の職員にさらなる負担を求めることにつながらないでしょうか。組織体制を維持できないのであれば、まずは業務のスリム化を図り、これまでの市民サービスの在り方、ここを見直すべきではないでしょうか。職員が行う業務は何か、デジタル、DXで補える業務は何か、地域で担っていただきたい業務は何か。職員を削減するのであれば、今までと同じ市民サービスを提供することができないことは明らかであります。 中核市平均より高い総人件費率をもって、まずは人件費を削減し、数字だけを求めていくのではなく、分析と指標があって目標を求めるべきです。このことが全職員に伝わることを前提に、次期奈良市行財政改革重点取組項目に取り組んでいただくよう会派として望みます。 次に、公共施設の統合と再編についてですが、明らかに公共施設の統合と再編の必要性については住民皆様の理解するところであると考えます。 2040年には14歳以下の年少人口が47%減少すると見込まれており、単純計算で学校教育施設の20万平米が余剰となる試算を本市は独自推計で上げておられ、我々議員も真っすぐにこの数字は捉えていかなければならないと思います。 2040年には30%の建築物系の公共施設を保有する必要がないと試算されているわけですから、まずはそのための議論を尽くすこと、再編計画においては住民理解を丁寧に行うこと、この点について留意しながら努めてください。 次に、きたまちのまちづくりについてです。 奈良市のまちが1,300年続く歴史の中にあって、鼓阪小学校、幼稚園は歴史的風土保存地区、第四種風致地区、文化財史跡東大寺旧境内、歴史的風土特別保存地区に位置します。これだけの規制対象とされる、守らなければいけない土地だということです。 市長は以前、奈良町での政策を実行される際、シビックプライドの醸成を図るために行うこと、このことを提案理由とされていました。まちに住む方が自分のまちに誇りを持つこのシビックプライド、きたまち側の住民はそのことを暮らしの中で十分意識しながら周知し、地域の中で学校を守り、子供たちを守ってまいりました。 人口減少という未曽有の危機に「なすすべもなく」と私自身は言いたくありません。しかし、未来を見据えたとき、このままでいいはずもありません。 今回の補正予算では、小・中学校へのコスト削減、脱炭素化への取組で13億6990万円の太陽光発電設備の設置が予算計上されていますが、鼓阪小学校は残念ながら対象校から外されています。未来へ向けて子供たちを育てていく使命を私たちが持つ中で、子供たちに具体的なしわ寄せが起きるような現状が見受けられます。 本市の役割は、学校規模適正化計画にのっとり、計画を推進するだけでは困ります。地元住民を災害から守り、地域コミュニティーの核となってきた教育施設に対し、奈良市の未来を背負う子供たちへの説明責任、地元住民への説明根拠、将来の展望に対する具体的なビジョンが圧倒的に不足していると言わざるを得ません。 市長には今後も説明責任を全うしていただくとともに、この大きな計画に着手する際には自ら現地に赴き、自らの言葉で説明責任をまず果たしていただくよう要望しておきます。それが鼓阪小学校150年の歴史と伝統に敬意を表し、地域住民に理解を求める真摯な姿勢ではないでしょうか。 次に、文化財の活用についてです。 本市はまちそのものを歴史遺産の宝庫とし、暮らしの中に根差した世界有数のまちと言っても過言ではありません。その上で、歴史遺産の核となる文化財をどのように守り、どのように活用するのかは、都市政策を考える上で最も重要な視点となります。 今、目の前にある歴史遺産及び文化財は、先人から預かり、後世へとつなげていかなければならない責務が根底にあります。この点に重きを置きながら、保存活用を専門とする人材育成や専門職員の配置、教育分野における深い学び、さらには伝統芸能や伝統事業の保護など、具体的に見える予算措置を令和5年度には要望しておきます。 次に、環境政策についてです。 冒頭に申し上げましたように、現状は後追い修繕となっています。次はどこに不具合が出るのか、現場の作業員は日々これまでの熟練された経験から設備を維持し、運転をされてきたところです。熟練された職員はあと何年在籍できますか。市長はこのような深刻な状況をどこまで認識されているんでしょうか。 市長が七条地区を候補地とする発言をされてから1年以上経過し、これで建設地を決定したと市民に説明できますか。では、この間、市長自身はどんな動きを自らされたのか。現時点で新クリーンセンター建設のめどが立たない中、現環境清美工場をどこまで維持できるか、さらに懸念が募っていくばかりです。この上は、まず足元を固め、安定した設備、安定した運営を担保することが最優先だと思います。現工場の性能水準を一定程度まで回復するための改修工事を行う等、維持補修の方策について最優先でしていただくよう強く要望しておきたいと思います。 新クリーンセンター建設地については、一刻の猶予もなく決定していかなければならない最重要課題ですが、さきの会派の質問でも新クリーンセンター稼働までのロードマップの答弁がありましたが、我々市民も市長の答弁を額面どおり受け取っていいのか、本当に迷われているんではないでしょうか。 答弁にもありましたが、これからのクリーンセンターは多面的価値を創出する施設であります。決して嫌悪施設ではなく、地域住民に多面的に還元できる施設であることを理解していただくことが大変重要であると考えます。 これまで描いてきたエネルギー資源の有効性と歩調を合わせ、防災都市として、子供を育成する場として、地域住民の福祉のまちづくりとして、何よりゼロカーボンを目指す持続可能な次世代のまちづくりの拠点としてこのクリーンセンターを建設する理解が得られれば、奈良市のシンボルセンターとして未来志向の設備ができます。 世界から民間企業にもゼロカーボンが要求されており、特にエネルギー産業部門においては最先端の技術を研究しながら、近い将来、二酸化炭素の排出をゼロにするための取組に日々研さんを積まれております。さらに、二酸化炭素を回収し、エネルギーへと変える仕組みまで行う、そんなごみ焼却施設を建設した自治体もあります。奈良市はいつまでこの老朽化した現工場を抱え、時間をかけ続けるのでしょうか。 いずれにしても、どこを建設地として地域住民に受け入れてもらえる設備を提案するのか、この点が大変重要です。未来に向けたまちづくりの拠点となる設備ができることを期待し、市長自らまず動いていただくこと、汗をかいていただくこと、このことを要望して代表質問を終えます。ありがとうございました。 ○副議長(伊藤剛君) 議事の都合により、暫時休憩いたします。   午後2時37分 休憩   午後3時15分 再開 ○議長(北良晃君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。----------------------------------- ○議長(北良晃君) 代表質問を続行いたします。 12番佐野君。   (12番 佐野和則君 登壇) ◆12番(佐野和則君) 皆さん、こんにちは。本日最後です。よろしくお願いいたします。日本維新の会奈良市議団の佐野和則でございます。 会派を代表して、既に報告しております通告に従いまして、一括質問一括答弁にて全て市長にお伺いさせていただきます。よろしくお願いいたします。 今年の2月24日から始まったロシアのウクライナ軍事侵攻や円安の影響により、物価の上昇が止まりません。食料品、日用品、家電、燃料、外食、運賃、あらゆる商品やサービスが値上がりし、家計を直撃しています。 一方、賃金のベースアップはそれほど進まず、奈良県においても平均年収はコロナ禍を境に減少しており、庶民の暮らしはますます苦しくなっております。政府も物価高騰の影響を様々な対策で緩和しようとしていますが、限界があるのではないか。こういうときこそ一人一人が自分のことと考え、できることを考え、この状況を乗り越えていかなければならないのではないかと考えます。 30日の定例会で上程された議員の期末手当の引上げ議案も、市民が苦しい思いをしているときに引き上げるべきではない、私たちに今何ができるのかと考え、議案には反対しましたが、賛成多数で可決され、残念に思っています。 日本には物価高騰だけでなく、少子高齢化問題や食料問題、水問題、所得格差、医療費の増加など様々な社会問題があります。奈良市においてもごみ問題、焼却炉の老朽化、食料自給率の問題、農業の担い手不足など様々な問題があり、今回はこれらの問題について数点質問させていただきます。 まず初めに、新クリーンセンターについて4点お伺いいたします。 8月、斑鳩町の広域化勉強会からの離脱により、単独での建設にかじを切ることとなったクリーンセンター建設計画の現在の進捗状況と、本年度の予算に対してどこまでスケジュールが進んでいるのか。 2つ目に、広域化を前提として説明してきた住民に対して、単独になったことを地元住民へどう説明しようと考えているのか。 3つ目に、公害調停に違反している七条でなぜ事業を進めようとしているのか。また、この七条で進める場合、施設以外の費用についてどれぐらいの費用が必要なのか。 4つ目に、公害調停条項の第2条を認めるなら、ほかにも候補地はあるのではないか。その検討はしたのか。そもそも公害調停条項第2条がオーケーとなるのであれば、現地も候補地になるのではないか。もう一度、現地左京の全住民に対してアンケートを実施してもよいのではないか。 以上、4点についてお伺いいたします。 2つ目に、環境清美工場で昨年度から新しく始まった堆肥化事業についてですが、新クリーンセンターの広域化がなくなり、令和12年度開設の計画にめどが立たない現状を考えると、現焼却炉をいかにもたせるか、負担をできるだけかけないようにするかの取組や、焼却ごみをいかに減らすかといった取組が必要であり、その取組の一環として、現在焼却処分している草木ごみや食品残渣を堆肥化し、令和5年度からの本格運用を目指すとして昨年度からスタートした取組である堆肥化事業について、3点お伺いいたします。 まず1つ目に、堆肥化事業の目的と昨年度の実施状況についてお伺いします。 2つ目に、事業化を図る上での問題点についてお伺いいたします。 3つ目に、今後の方向性についてお伺いいたします。 以上、3点についてお伺いいたします。 3つ目に、学校給食の地産地消の取組についてお伺いいたします。 奈良市では、奈良市食と農の未来づくり推進計画を策定し、目標と展開として、1、基本目標、2、施策の方向性、3、指標と目標値の3つを挙げ、奈良市における食育と地産地消を進めておられると認識しております。 このことに関連して、10月26日の定例記者会見で市長は、奈良市の農業について、新たな担い手を育て、就農した人が継続して生活していけるような取組に力を入れる。また、農家が作りたいもの、作れるものを作るのではなく、工業製品の生産と同じように出口から逆算をして生産をしていく。消費者がどの時期にどのようなものを、どのようなサイズのものをどれぐらいの数が欲しいのか、よりマーケティングデータをしっかりと分析して、逆算して作付していくという経営に転換していくことも大切であると話されていました。 これらのことを踏まえ、奈良市食と農の未来づくり推進計画の出口の一つである学校給食について、11月の観光文教委員会で、学校給食で使用量の多い青果の使用量はタマネギ約142.4トン、ニンジン約73.8トン、ジャガイモ約65.6トンとの報告をいただき、また、これらの青果を奈良市産に置き換えて使用することができないかについて、保健給食課長より答弁いただきました。契約方法、納品方法、供給量の調整など様々な課題があるとお聞きいたしました。 例えば、奈良市がこの3品目を生産していただける市内の農家や農業法人を入札にて募集し、契約することにより、学校給食の地産地消や農産物の生産額の増加、農業基盤の強化につながり、ひいては担い手不足の解消にもつなげることができるのではないか。また、子供たちが、契約した畑の見学を通じて、自分たちが食べる給食の野菜がどのように生産されているのかを知ることで食の大切さを学ぶことにもなり、食育の推進にもつながるのではないかと考えます。 そこで、市長にお伺いいたします。 奈良市食と農の未来づくり推進計画には、指標と目標値が記載されています。その中の若い世代に向けた食育の推進、地元農産物の消費拡大、学校給食の地産地消に向けて、今後どのように取り組んでいかれるのか、市長のお考えをお聞かせください。 4つ目に、子ども医療費助成等の現物給付についてですが、先ほど他会派からも質問があり、重複しますので、最後に意見、要望のみとさせていただきます。 最後に、介護施設における高齢者虐待の対応について2点お伺いいたします。 最近、ニュースやメディアで度々話題になっている高齢者虐待問題についてですが、先月にも大阪市城東区の介護老人保健施設でも虐待があったとして、業務停止6か月間の行政処分が下されました。この施設は、これまでにも市から虐待があったとの認定を3回受けていたということです。 高齢者福祉施設における虐待等の問題は多様化し、潜在化の危惧があり、施設内でこのような問題が生じれば報告、通告は当然の義務です。しかし、組織にとっては不祥事でもあります。 厚生労働省が公表している高齢者施設の虐待の通報・認知件数は、いずれも毎年増加傾向にあります。しかし、昨年は減少しています。これは虐待が減ったのではなく、コロナ禍の影響で家族が面会する機会が減り、虐待が発覚しにくくなっているためだと分析されています。 家族からの通報が減少していることについては危惧いたしますが、それとは別に、内部通報により虐待が発覚するケースもあります。 そこでお聞きします。 まず1つ目に、奈良市において、今まで施設虐待に関する内部通報があったかどうかについてお答えください。また、あった場合はどのような対応をしているのかお答えください。 2つ目に、高齢者虐待事案において、行政からの指導に対して改善が見られない場合、認定の取消しなどの処分を行ったことはあるのか。また、そのような事案があればどのように対応をするのかお答えください。 以上で私の1問目とさせていただきます。 ○議長(北良晃君) 市長。   (市長 仲川元庸君 登壇) ◎市長(仲川元庸君) ただいまの佐野議員の御質問にお答え申し上げます。 まず初めに、新クリーンセンターについての御質問であります。 本年度の進捗状況、また予算の執行状況についてということでありますが、今年度の予算に様々な予算を計上いたしておりましたが、そのうちまちづくり拠点整備基本構想策定業務につきましては、国の地域脱炭素支援事業補助金が得られなかったことから、現状を鑑みまして今年度は見送ることといたしております。 また、施設整備基本計画の策定、PFI等導入可能性調査、環境影響評価等につきましては、広域の枠組みが前提の予算ということでもあり、これに伴いまして想定いたしておりました奈良県のごみ処理広域化推進補助金が見込めないことから、今年度の執行は予定をいたしておりません。 今年度といたしましては、午前中の質疑でもありましたが、循環型社会形成推進地域計画を広域から単独に変更し、国に提出をし直すということ、そして施設基本構想を策定するということ、また、アクセス道路に関する調査等を実施していくということを考えております。今後も地元周辺地域への説明など、可能な限りやるべきことを実施していきたいと考えております。 次に、単独になったことの地元住民への説明についてということであります。 奈良県北部での広域化につきましては、各自治体がそれぞれの事情を考慮しながらも検討を重ね、判断をした結果、残念ながら実現することには至らず、奈良市単独での施設設置を目指すこととなったわけでありますが、一日も早い新クリーンセンターの建設は市民生活の安定に欠かせないことであり、市民の願いでもあると認識をいたしております。 そのためには、地元及び周辺住民の皆様に今後も丁寧な説明を続けていくことが最も大切であり、市としてはこれまでもお聞きをした地域課題の解決策、また御要望への対応、また新クリーンセンターを核とした新しいまちづくりについても皆様に御理解いただけるよう説明を尽くし、議論を重ねることで住民の皆様の信頼に応えていきたいというふうに考えております。 次に、七条地区で進めるということが公害調停に違反するんではないか、そしてまた、七条で進める場合に、施設以外の部分でどれぐらいの費用を要するのかという御質問であります。 まず、本年9月に斑鳩町が離脱をいたしましたことによりまして、広域化から単独に変更となったことによりまして、再度、クリーンセンター建設計画策定委員会を開催いたしました。この中には、委員のメンバーとして公害調停申請人の代表者や代理人弁護士の方も出席をされているという状況でございます。これらの方々にも御意見を伺った中で、その中でも現候補地の適正性についても御意見を伺った中で、最終的に明確に反対をするという御意思は表されなかったということでございます。 また、近年におきましては、武蔵野クリーンセンターのように廃棄物処理施設の隣に学校等の公共施設がある事例も出てきており、環境に配慮した施設整備技術の進歩、また社会情勢の変化ということも公害調停を締結した当時とは変わってきていると考えております。こういったことも明確な反対がなされなかった要因の一つではないかと認識をいたしております。今後も皆様方に御理解いただけるよう、丁寧に説明を尽くしていきたいと考えております。 また、施設及び施設以外の費用については、今後策定予定ということでありますので、施設整備基本計画やアクセス道路等を検討する中で、より詳細なコストシミュレーションを作成していきたいと考えております。 次に、公害調停に違反をするのであれば他の候補地も考えてはどうか、また、左京住民の皆様にアンケートを取ってはどうかという御提案でございました。 この点につきましては、候補地の選定につきましては、前回の候補地を1か所に絞り込むまでに7年もの時間がかかったということもございます。そういった中で、白紙から再度選定作業を行うということは、現施設の老朽化の状況を鑑みれば現実的ではないと考えております。 また、現有施設のございます左京につきましては、平成25年3月に東里地区を最終候補地として決定してから地元交渉などを続けた後、断念せざるを得ず、その後、策定委員会との議論もあり、自治連合会による公募や左京住民との住民懇談会、さらには戸別訪問なども行いましたが、いずれも候補地を決めることに至らなかったという経緯がございます。 なお、公害調停の法的な位置づけから、その解除を含めた現状変更には全ての申請人との合意が必要となりますことから、仮に左京にお住まいの皆様にアンケートを取り過半数を得たとしても、左京地区を再度クリーンセンターの建設候補地にすることは困難だと考えております。 次に、堆肥化事業の目的と昨年度事業の実施状況についてということであります。 草木や給食ごみといった有機性廃棄物を焼却せずに堆肥とし、その堆肥を地域内で使用して農作物を生産し、その農作物をまた地域内で消費するという資源の循環の仕組みを構築することは、ごみ焼却量の削減、また温室効果ガスの排出抑制、そして資源化利用の促進につながるものと考えております。 昨年度の実施状況といたしましては、環境清美センター内に特殊なコンテナ型の発酵装置を設置いたしまして、市が収集した草木を細かく破砕したもの、そして学校の給食残渣、浄化槽汚泥などを材料に、基となる種堆肥と混合し、装置に投入することで発酵させ、堆肥を生産するという実証実験を行いました。 生産をした堆肥の提供先からは、作物が比較的大きく育ったという声もいただいており、また、市内の農業法人に協力をいただき試験栽培を実施した結果、市販の堆肥と比べてより大きなものが収穫できたという報告もございましたので、質としては良質なものが生産できていると認識をいたしております。 次に、本事業を進める上での問題点ということでありますが、今回実証実験を行う中では、堆肥化事業を本格的に実施するためには材料の破砕や混合といった作業工程に一定の規模の設備が必要となること、また、堆肥の発酵作業に相当の時間を要すること、また、それに伴う相応のコストが必要であるということが分かりました。これらの問題を解消するために、一定規模の設備の設置、そして作業場所や保管場所の確保がまず必要であると考えております。その上で、生産した堆肥をどのようなルートで効果的にお配りするか、また、それを地産地消につなげていくかということも重要な視点だと認識をしております。 また、今後の方向性ということでありますが、この取組の事例を踏まえまして、引き続き試行錯誤を重ねながら、この事業の先ほど申し上げました様々な問題の解決に向けた検討を行いまして、有機性廃棄物をリサイクルすることで地域資源の循環を生み出すために、具体的な取組を次年度以降も継続していきたいというふうに考えております。これらは国が掲げるカーボンニュートラルの実現にもつながっていくものと期待をいたしております。 続きまして、学校給食への地産地消の取組についての御質問でございます。 議員から御指摘をいただいておりますタマネギ、ニンジン、ジャガイモの主要な食材を全て奈良市産に置き換えるということについては、地域の農業の振興、消費の拡大、また、子供たちにとっても生産者の顔が見える、食に対する安心感やつながり、そして感謝の心を育む、いわゆる食育の推進に大きくつながるものと考えております。 今後、本市の学校給食事業の中で、この3品目については段階的に地元産に切り替えていくべく、関係部署と連携し、計画的に事業を進めていきたいという考えでございます。 次に、介護施設における高齢者の虐待についてということでありますが、本市におきまして施設虐待に関する内部通報につきましては、これまでにございました。その場合においては、奈良市高齢者虐待対応マニュアルの中の養介護施設従事者等による高齢者への対応というものがありまして、それに基づきまして対応させていただいております。 流れといたしましては、介護従事者や御家族などからの通報を受けた後、速やかに関係部局で情報共有及び協議を行いまして、高齢者虐待防止法に基づき、利用者及び職員等への聞き取り、そして介護記録などの書類等の確認などによりまして事実確認の調査を行っております。 その後、調査結果を踏まえまして、虐待判定会議にて虐待事実の判断、緊急性の判断、そして対応方針の策定、改善指導内容の検討などを行いまして、施設に対して改善報告書の提出を求め、職員からの聞き取り、必要に応じて施設へ事前の連絡をせずに抜き打ちで訪問することなど、取組の状況を随時確認することといたしております。 次に、本市におきまして、現時点において高齢者虐待等の理由で指定の取消しなどの処分を行った事例についてということでありますが、指定の取消し処分というものは、これまでには事案としてはないということでございます。 一定の改善指導を実施した上で虐待事例が発覚した場合においては、警察OB、また弁護士等の専門職職員の協力も得て、より詳細な事実確認を行います。その結果、さらなる対応が必要と判断した場合には、指導監査を行っている部局と連携し、老人福祉法または介護保険法の規定による権限を行使して処分をするという流れになっております。 また、今後、虐待の事実のあった施設については、改善報告書に示されている内容が実際に行われているのか、また継続して行われているかどうか、関係者からのヒアリング等を実施するなどモニタリングも強化をしていきたいと考えております。 本市といたしましては、高齢者の方々が尊厳を持って暮らすことができる環境を築くべく、利用者の安全・安心の確保に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 12番佐野君。 ◆12番(佐野和則君) 2問目は発言席より市長に再質問させていただきます。 新クリーンセンターの候補地の七条地区は調停条項の第2条に反していることを原告全員が納得しているのか。その確認はしたのか。もし一人でも反対される方がおられた場合は再選定になるのではないか。反対に、全員が調停条項の第2条を守らなくてもいいのであれば、七条地区に似た条件の候補地はほかにもあるのではないか。なぜ浸水対策や道路の新設などコストが高くなるかもしれない七条にこだわるのかについてお伺いいたします。 ○議長(北良晃君) 市長。 ◎市長(仲川元庸君) 2問目は自席でお答えを申し上げます。 公害調停についての御質問でございますが、公害調停の申請人は3,524名おられますが、全員の方の意向を確認するということは現実的に難しいところでもございますが、先ほどの答弁でも申し上げましたとおり、公害調停に基づいて設置をしておりますこのクリーンセンター建設計画策定委員会、ここには公害調停申請人の代表者、そして代表者の代理人が出席をいたしております。その方々を含めますこの策定委員会におきまして、七条地区で事業を展開していくということに対して、その段階では特に明確な反対の意見はないという状況でございます。同様に、議員、市民の代表者などの委員からもそのような意見はなかったと認識をいたしております。 また、委員会の中で、公害調停の申請人の代理人の方からは、「個人的な意見としては、公害調停はあるけれども、養護学校や病院の関係の方及び父兄の方が御承諾をされるのであれば、それで条項がどうのと言わなくていいのではと思う」という御意見。また、他の委員からは、「公害調停300メートルの説明をいただいて、そういう配慮はいただいていることを理解した。この部分については、これから検討していくとか状況の変化もあるので、しっかり状況の説明を聞きたい」という御意見。また、ある方は、「300メーター以内、これは技術的に、あるいは政治的に考えたときに、現在、公害の心配を持っておられる方はほとんどいない。東部の住民もこう言っていた」と発言されているなど、市の説明に一定の理解を示され、そのことを踏まえて反対という意見が出なかったと認識をいたしております。 今後も策定委員会を必要に応じて開催し、状況を丁寧に説明し、委員からの御意見も伺いながら事業を進めていきたいというふうに考えております。 以上でございます。 ○議長(北良晃君) 12番佐野君。 ◆12番(佐野和則君) 3問目は意見、要望とさせていただきます。 新クリーンセンターについてですが、公害調停は公害調停申請人の意向を十分に酌み取って行われたものであります。調停条項には、平城ニュータウンから移転することはどこにも記載されておりません。移転の約束は唯一、第2条の「奈良市全域の中から300メートル以内に学校、幼稚園、保育所及び病院がなく、住居専用地域に近接しない場所の中から、環境への影響、周辺住民との共存及びごみ収集の効率面等も考慮しながら適地を選定する」であります。 公害調停申請人の会が調停を求められた争点は5つありますが、1つ、焼却による環境汚染の問題、このことについては、現在はもちろん、過去にも健康被害があったとは認定されていません。本市も認めてはいません。 清掃工場の立地問題。300メートル以内に学校、幼稚園、保育所及び病院がなく、住居専用地域に近接しない場所の中から選定する。 3つ目に、奈良市による移転約束の問題。 4つ目に、住民間不平等の問題。平城ニュータウンの住民が清掃工場の移転を要求するのは、住民エゴではない。特定の住民が長期にわたり不利益を被る不公平等を住民の時間差による持ち回りによって解消すること、このことについては、候補地とされている七条町は大和郡山市の清掃工場が隣接していることから、問題の解決とはなっていません。 建て替え計画の不合理性。現在地に建て替えの場合は、十分な環境配慮施設を想定するなら膨大な費用の投入が必要で、経済的にも不合理であります。このことについては、七条町はハザードマップで浸水エリアとされており、その対策に多額の費用を要することも考えられるとともに、進入道路の敷設も必要であり、膨大な費用の投入が必要で、経済的にも不合理性の解決とはなっていません。 申請人が300メートル以内を容認するのであれば、残る争点の問題は奈良市による移転約束の問題だけであり、清掃工場の移転を要求するのは住民のエゴではないとの主張が説得力を持たないことから、300メートル以内の容認は考えられないと考えられます。 「公害調停申請人の代理の方が出席されている。この方たちから策定委員会で明確な反対意見がなく」を「容認している」と推定しているのか明確でないが、策定委員会中で意見を聞くのでなく、申請人の会と協議を持って判断すべきであると考えます。 新クリーンセンターについては一日も早い建設が望まれますが、先ほどの再質問では、クリーンセンター建設計画策定委員会において、七条地区について特に明確な反対意見はなく、議員、市民の代表などの委員からも同様に特に意見はなかったと認識しているとの答弁がありましたが、私も委員会を傍聴していましたが、賛成の意見もなかったように記憶しています。また、人口重心や幹線道路との関係、土地の利用状況、土地規制、周辺住居状況等から、七条地区に似た条件の候補地がほかにもあるとは考えにくいとの答弁がありましたが、検討はされたのでしょうか。 七条ありき、時間がないという理由で計画を推し進めるのではなく、奈良市の厳しい財政を考えると、コスト面もよく検討し、候補地選定には熟慮していただき、地方自治法第2条第14項には「地方公共団体は、その事務を処理するに当つては、住民の福祉の増進に努めるとともに、最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない。」とも書かれています。そのことも十分配慮していただくよう要望させていただきます。 次に、堆肥化事業についてですが、現在、日本では循環型社会形成促進基本法の下に、天然資源を浪費して多大な環境負荷をもたらす大量生産・消費・廃棄の社会から循環型社会への転換が進められています。 循環型社会とは、発生したごみを3R--リデュース・リユース・リサイクルし、どうしても利用できないものだけを処理、処分するという順序で管理し、廃棄物をごみとするのではなく資源とすることで天然資源の消費を抑制し、環境への負荷をできる限り減らすことを目標とする社会です。これは誰かがやってくれるのではなく、私たち一人一人の心がけによって成り立つ仕組みだと考えます。 この堆肥化事業はまさに循環型社会を目指す取組であり、老朽化した焼却炉の負担軽減はもとより、高騰している肥料代の軽減による農業支援、学校給食の地産地消や食育にもつながるのではないかと考えます。また、衛生浄化センターでは既に事業化され、し尿・汚泥を原料とした肥料「畑楽」を無料配布されていますが、今回の堆肥化事業で生産された肥料に関しましては有料にすべきであると意見しておきます。 この堆肥化事業にはまだまだ課題はあると思いますが、ぜひ実現していただけるように要望しておきます。 次に、学校給食の地産地消ですが、昨今、多くの自治体が学校給食の無償化を検討、実施しており、奈良市議会12月定例会でも公立小・中学校3学期分50日間の無償化が報告され、承認されました。 学校給食の無償化については、我が党の公約でもあり、ぜひ継続していただきたい施策ではありますが、奈良市の厳しい財政事情を考えると、財源の確保が難しい現状ではあります。しかし、子供たちは国民の宝、県民、市民の宝であります。この子たちを国民みんなで守っていくこと、安全で安心な食の供給は私たち大人の義務ではないか。いま一度財源を見直し、本当に必要なところに回す。今回提案させていただいた学校給食の地産地消の取組も、仕入れの減少につながり、財源の確保に寄与するのではないか。また、食を通じて地域への愛着を深めたり、地域のことを知ることはとてもよいことだと考えます。 余談になりますが、先日、市が月ヶ瀬地域を拠点に、共助の精神の下、持続可能な地域社会の構築を目指すLocal Coop月ヶ瀬プロジェクトの取組として、本年8月2日から4回にわたって開催されました自分ごと化会議について、私もどのような議論が行われているのか拝見してまいりました。 そこでは地域の課題を抽出し、その解決に向けて、自分たちに何ができるのか、地域ではどんなことができるのか、行政にどんなことを支援してほしいのかなどを自分事として考えるという視点で話し合われており、月ヶ瀬地域の方のみならず都祁や田原、柳生など東部地域の方も合わせて56名の市民が参加されていました。また、先進事例に取り組んでいる企業も複数参加するとともに、近隣の伊賀市や南山城村の方も来られていました。そして、具体的な組織名は申し上げませんが、月ヶ瀬や都祁行政センター、東部出張所だけでなく、複数の課の職員が出席していました。 4回の会議の模様を拝見して、課題をみんなで共有し、毎回会議が終了しても会場のあちこちで意見交換がされて、熱のある議論がされていると感じました。 今回質問させていただいた学校給食での地産地消促進の課題についても、生産から消費という単純な流れではなく、ニーズをつくり出すことから有効な生産につなげるなど多様なアイデアが必要であり、給食の担当課や農政の担当課だけでは、有効な事業スキームは構築できません。 市長も関係部署と連携し、計画を推進していくと答弁いただきました。よく行政での連携と言われますが、まさに各部局が自分事として課題を捉え、自分たちに何ができるのかを考えながら協力して課題解決に臨んでいただけますようにお願いいたします。 次に、子ども医療費助成等の現物給付についてですが、来年の6月から奈良市もようやく対象年齢を中学校卒業まで拡大することになりましたが、この拡大導入は中核市62市の中で最後になってしまいました。 18歳までの現物給付導入は中核市でもまだ半分以下でありますが、保護者の子育てに係る経済的負担の軽減と子供の保健の向上、安心して子育てができる環境の充実を目指して、全国の自治体でも18歳までの引上げの輪が広がっており、導入の検討が進んでいます。 本市におきましても、県や各機関との調整は必要だと考えますが、先ほどの他会派からの主張、答弁でもありましたように、リーダーシップを発揮していただき、一日でも早い導入を目指していただけるように要望いたします。 最後に、介護施設における高齢者虐待の対応についてですが、例えば内部通報者より他の職員に関して、利用者に暴力を振るっている、言葉遣いが荒く暴言を吐いているなどの報告があったにもかかわらず、積極的にそのことは誰にも話さないようにと口止めをしたり、消極的に話を聞き、積極的な調査も行わないというような態度で挑む施設では、事実確認も難しく、行政からの指導には至らず、実際に虐待を行っている職員の行動はエスカレートし、次に虐待の事実が発覚したときには利用者が重篤なけがをしてしまっていることにもなりかねず、何より、虐待を通報したにもかかわらずこれをもみ消されるような職場では、介護に真剣に取り組もう、サービスの質を向上させようと努力する職員が育つはずがありません。 介護が必要な高齢者にとって最後の居場所、家族も多少の罪悪感を感じながら施設に親や親族を託しており、虐待の事実を言い出せずにいたり我慢しておられる利用者のためにも、虐待は決して許してはいけません。 昨日も、静岡県裾野市の保育園でも園児虐待で保育士が逮捕されるというニュースもありました。高齢者施設だけではなく、虐待に対しては、行政は強い態度で虐待防止に向け対応していかなければならないと考えます。 家族や利用者からの通報はもちろんですが、内部通報の取扱いに関しては事実確認が重要です。施設側の隠蔽や軽視も考えられます。また、内部通報があること自体、組織に問題があるとの認識の下、徹底した調査と対応をしていただき、事実であれば改善に向けて徹底した指導、改善が求められないようであれば厳しい処分で対処していただけるよう要望させていただきます。 また、高齢者虐待防止法及び障害者虐待防止法は、通報者に対する降格、減給、解雇その他不利益な取扱いを禁止していますが、現実には、勇気を振り絞って職場内での虐待を通報した者は、職場で余計なことをした、組織の和を乱すという目で見られて孤立化し、心身ともに追い込まれて退職せざるを得ない事態に陥ることも少なくないと聞きますので、当該施設へ通報者の保護も併せて指導をよろしくお願いいたします。 以上で私からの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。 ○議長(北良晃君) 以上で代表質問は終わりました。 お諮りいたします。 本日の会議はこの程度で打ち切り、明6日午前10時より本会議を再開して、質疑並びに一般質問を行いたいと思いますが、そのようにいたしまして御異議ございませんか。   (「異議なし」と呼ぶ者あり) ○議長(北良晃君) 異議なしと認めます。 よって、そのように決定いたします。 本日はこれで散会いたします。   午後3時54分 散会----------------------------------- 地方自治法第123条第2項の規定によりここに署名する。             奈良市議会議長   北 良晃             奈良市議会副議長  伊藤 剛             奈良市議会議員   白川健太郎             奈良市議会議員   山本直子             奈良市議会議員   森田一成...